超短編小説『ファーストアプリ』3

はじめに

この短編小説は全10話でお届けする物語です。

1日、1話ずつ更新をしていきますので、ぜひ最後までご覧ください。

1話目をご覧いただいていない人は1話目からお読みください。

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何度か話し合いを交えたのち、僕達がゲーム作りを始めてから6ヶ月でゲームとして形になった。

ただ、キャラクター数150体を目標にしていたが、近藤と山下は学生でもあり、アルバイトもあったので、全然間に合っていなかった。

僕は、仕方なく外注を使うことにした。

100体までは頑張って作ってくれていたので、残りの50体を70万円で発注した。

バイトで貯めていたと言ってもさすがに70万円は大きく、バカな事をしたと後悔もあった。

しかし、ここまで皆を巻き込んだからには一刻も早く、収益化を目指さなければならない。

そして、ゲーム作りを始めて、8ヶ月で最終のテスト段階まで来た。

大手スマホゲーム会社でも企画から完成まで半年以上かかる中、メンバーがたった5人でここまでのクオリティーのゲームを作り上げたことは奇跡に近い。

最終テストは、安全性と公平性を求め、お金が更にかかるが、外部機関に依頼した。

そうすると、驚きの結果が来た。

テスト結果:欠陥部分12件 内重大欠陥1件

そう、重大欠陥が残っていたのだ。

11件の細かい欠陥はすぐに対応できたが1件の重大欠陥はすぐに対応できなかった。

理由はセキュリティーに関するバグの為、とりあえずリリースという処置もできないからである。

僕たちの作った「おかしdeパズル」は初期のキャラクターで激レアが出なかった場合に行われるリセットマラソンを禁止している。

具体的に顔認証システムを利用して一度使用した顔データはリセットができない仕組みである。

しかし、そうして得た顔データが簡単に外部から閲覧できるバグが残っていた。

バグの原因は顔データの照合の際に委託している外部システムに送信するプログラムの暗号化が不十分な状態であるとすぐにわかった。

斎藤はすぐに送信データの暗号化を強化したが、そうすると顔認証機能がうまく働かずリセットマラソンが可能な状態になってしまう。

僕に与えられた選択肢は2つだ。

1つ目は、リセットマラソンを許可して顔認証機能を無効化する。

2つ目は、顔認証を外部に委託せず独自システムを開発するか外部からシステムそのものを購入する。

簡単なのは1つ目である事は誰にでもわかるがどうしてもリセットマラソンを無くしたいという思いから僕は顔認証システムを外部から丸ごと購入して自分のサーバーで運用することにした。

しかし、顔認証システムの購入は1000万円と巨額で僕は投資してくれる人を探した。

今まで出会った人はもちろん、あらゆるお金持ちに話を持ちかけたが相手にしてくれる人はいなかった。

4話へ続く




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