コロナ禍でも黒字を出せる鉄道会社と赤字の鉄道会社の違いはなに?

コロナ禍で通勤需要・観光需要が減り、2020年度の大手鉄道会社の決算では全ての会社が赤字を計上しました。

しかし、2021年度が始まってからは、大手鉄道会社でも黒字に回復をした会社と、赤字のまま見通しが立たない会社が存在します。

具体的には、東急や小田急、京阪、阪神阪急、南海、JR九州などが黒字を達成しており、逆にJR東日本、JR東海、JR西日本、西武などが赤字のまま第一四半期を終えています。

どうして、同じ鉄道事業を主力としているにもかかわらず、黒字になった会社と赤字を継続する会社の二つが存在するのでしょうか。

今回は、黒字と赤字の分かれ目が何だったのかを解説していきたいと思います。

鉄道事業は厳しい状況

大手鉄道会社で共通して言えることは鉄道事業は依然、厳しい状況が続いているということです。

昨年よりは、回復をしていると言えますが、まだまだ全盛期よりは程遠い状況です。

ただ、それでも6割から7割程度は回復しており、その大きな要因は定期外の収入が大幅に改善したことにあります。

都市部にある大企業の多くは、テレワークが導入されており通勤定期代の支給が休止されています。

その代わりに、出勤するたびに交通費を支給する方式が取られ、鉄道で通勤する人も、乗車のたびにICカードの残高を利用しています。

つまり、これまで定期券を購入した人が、定期券を購入せずに乗車しているということです。

もちろん、その分、定期収入の回復は遅れていますが、緊急事態宣言が開けて、出勤率が上がれば、さらに定期外収入が増えると考えられます。

ただ、あまりにも出勤日数が増えすぎると、定期に戻る人も増えるので、絶妙なバランスを保ってくれれば、収益性の高い定期外収入だけを増やし続けられるかもしれません。

ホテル・レジャー事業も厳しい

鉄道会社の多くはホテル・レジャー事業も展開しています。

しかし、こちらも依然として厳しい状況が続いています。

さまざまな施策により、少しずつ改善はされていますが、やはり外国人を増やさないことには、この分野で完全回復することは難しいでしょう。

特にホテルを多く抱える西武グループでは前年よりは回復しているものの、全盛期からは半分以下の収入しかありません。

鉄道会社ではありませんが、最大手のオリエンタルランドも厳しい状況が続いていますので、この分野はしばらく不調が続きそうです。

ただ、多くの人が旅行やレジャーを我慢しているのは確かな事実です。

よって、緊急事態宣言が開けると予想される、第二四半期、第三四半期は少し改善が期待できるかもしれません。

不動産事業はどこも好調

今回の決算で黒字と赤字の分かれ目は不動産事業です。

鉄道会社では、オフィスや住宅など不動産事業を展開している場合がほとんどです。

オフィスはテレワークが進む中、解約が目立っているのかというとそういうこともなく、意外と安定した収益を確保できています。

住宅に関しても、鉄道沿線での販売数が好調で、沿線開発を頑張ってきた会社ほど、利益をしっかり確保しています。

他にも、物流倉庫などの賃料も上がってきており、物流倉庫を保有する鉄道会社は、こちらでも利益を確保しています。

今後も同じように稼げるかは不透明ですが、コロナ禍に置いて不動産は強い分野の一つだと言えそうです。

完全回復までにはまだまだかかりそう

今回、黒字となった鉄道会社は不動産による赤字のカバーが大きな要因です。

もちろん、鉄道の収入も回復傾向にありますが、コロナ以前の水準に戻るまではまだまだかかりそうです。

そうなると、今後どれだけ不動産を頑張っていけるかということで、将来が左右されます。

鉄道会社は多くの不動産を保有しており、それらをうまく利用すれば、まだまだ伸ばせる余地もあります。

2021年は厳しい年が続くかもしれませんが、2022年以降は、鉄道業界も回復傾向にあるのかと予想しています。

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