岩手県の北上山地の地下が世界最先端の素粒子実験施設である国際リニアコライダーの最有力候補地となっている事をご存知ですか?
そもそも国際リニアコライダーって何?という人も多いでしょう。
ということで、今回は今後注目されるであろう岩手県の最先端スポットについて解説していきます。
国際リニアコライダーとは
国際リニアコライダーとは全長31キロメートルから50キロメートルの地下トンネルに建設される加速器を中心とした素粒子実験施設です。
ここで電子と電陽子を光速に近い速さで衝突させることで電子と陽電子は消滅します。
その際に宇宙初期に合った高エネルギー状態作り出し、宇宙が誕生する切っ掛けとなったビックバンを再現します。
そこからさまざまな種類の粒子を観測することで宇宙創成の謎と時間と空間、質量の謎に迫ります。
また加速器のある施設はどれも円形であり、直線の素粒子実験施設は現在世界中のどこにもありません。
円形の素粒子実験施設では粒子のエネルギーが減少してしまうので世界中の科学者たちは直線の加速器を長年求めていました。
そのため世界中の研究者が協力し、「世界に一つだけの施設」を建設しようと計画を進めています。
このように国際リニアコライダーは非常に世界中で重要、なおかつ貴重な研究施設になると考えられています。
なぜ岩手県なのか
国際リニアコライダーを建設するには人工振動が無く、活断層が無く安定した地盤が必要だからです。
その条件を満たしたのは日本の岩手県の北上山地にだったからです。
50キロメートルと広大な花崗岩で活断層もなく安定した岩盤です。
またこの場所は東北地方の中心都市である仙台、大船渡港などの重要港などアクセスが非常に良いのも、最有力候補地に選ばれた理由です。
もし岩手県に国際リニアコライダーが出来たら
国際リニアコライダーの設計、建設や運用は世界中の多くの技術者や企業、研究者など多くの人達が関わって実現するものであるため世界中の人々からから日本、特に岩手が注目されると思います。
また、国際リニアコライダー建設、運用による成果は地質や環境などの調査、技術の産業波及など多くの分野で還元されます。
このことから国が大きく変化するのは間違いないです。
日本は世界が認める素粒子と加速器の大国。
ノーベル賞候補者を多数もち、加速器の技術でも世界のトップを誇ります。
米メリーランド大学と英BBC放送が2006年におこなった世界約4万人を対象に実施した共同世論調査では、33カ国中31カ国で「世界に好影響を与えている国」のトップが日本でした。
ところが「尊敬される国」としての位置は決して高くない、という残念な結果になっています。
世界拠点となる国際研究施設が日本にでき、素晴らしい成果がそこから産まれることは、日本の国際的な地位の向上にもつながり、世界から尊敬される日本への足がかりになることが大きく期待できます。
また、ILCの実現によって、国民の日本に対する誇りも醸成することができるでしょう。
ILC国際研究所の誘致は、世界で「最も好まれる国」から更に踏み込んで、日本が一番多くの国から尊敬を受ける国となる契機となります。
そして、ILCから産まれるソフトパワーとしての最先端科学技術を、国家の明確な意思をもって、外交の穂の一つとすることは、日本の安全保障にも貢献することが出来ます。