ドバイ首長国に本社を置く、エミレーツ航空は新型コロナウイルスの影響で約10万人の社員のうち、3万人の削減を検討している事を発表しました。
これは、旅行の需要減が数年に渡って続くとの予想からコスト削減を進めるとのことです。
観光大国ドバイの政府系航空会社がこのような危機感を持っていると言う事は、世界各国の航空会社も同じようなリスクを考えながらコスト削減策を検討中だと思います。
今後、航空業界はどのようになってしまうのでしょうか。
1年間は元通りには戻らない
新型コロナウイルスが完全に終息する事は無いと思いますが、何かしらの対策により1年後には海外への渡航も出来るようになっていると思います。
しかし、これから1年間は旅行はもちろん、ビジネスでも海外に渡航する需要がほぼゼロに等しいと言えます。
そのような状況では、国際線の運航収益の高い航空会社はかなりの大打撃を受けます。
また、国内線に関しても移動制限や自粛が続くと考えられるため、収益は見込めないでしょう。
つまり、1年間の体力が持たなければ、世界の航空会社は倒産に追い込まれてしまいます。
航空会社は本当に倒産するのか?
収益が見込めない状況では、いくら大手航空会社であっても倒産の可能性はあります。
日本でいうと、日本航空や全日本空輸もかなり厳しい状況になる事でしょう。
しかし、自国の航空会社を守る為に、日本を含めてほとんど国では政府機関の援助が入ると思います。
ただ、民間側でも倒産対策を求められるのは確かで、その一つに企業合併があります。
現在は、JALとANAが日本の航空会社の中心的存在ですが、体力が持たなければ、合併させるという選択肢もあるはずです。
政府としても援助する企業を一つに絞りたいはずなので、合併を推奨してくることでしょう。
おそらく、この流れは海外も同じです。
なかには、国を超えての合併も十分にあり得る話だと考えています。
航空会社の減少で価格競争が無くなる
この1年間で多くの航空会社が倒産・合併する事により、ライバルとなる航空会社が少なくなり、価格競争が無くなる可能性があります。
そうなってくると、これまでのように格安で海外に行けるというのは夢のような話になるかもしれません。
もちろん、終息後は新しい航空会社の誕生もあると思うので、いずれは価格競争になると思いますが、しばらくの間は、これまでよりも高い金額になる事が予想されます。
景気悪化で海外旅行需要が減る
航空券の値上げに加えて、世界的な景気の悪化で海外旅行の需要が減るのは確かです。
これまでは、多くの人が海外旅行を気軽に楽しんでいましたが、一部の富裕層だけの娯楽になる事でしょう。
これにより、さらに航空会社の収益を低迷させていきます。
つまり、新型コロナウイルスが終息したとしても、航空業界は厳しい状態が数年は続くと言う事です。
今回のエミレーツ航空は社員の約30%を削減するとの事でしたが、今後はさらに高い比率で削減する航空会社も出てくるでしょう。
日本に関しても雇用維持が出来ずに、大規模なリストラが発生する可能性もあります。
どの業界も大変な時期なので、航空業界だけを助ける事は出来ないと思いますが、今後の収益となる可能性の高い旅行業は、どこの国も力を入れていきたいと考えているはずです。
特に日本においては、海外からの旅行者を増やす取り組みの真っ最中であったため、何とか航空会社を守りたい気持ちがあると思います。
なので、流石にJALとANAが倒産する事は無いと思いますが、大幅な規模縮小は十分に考えられると思います。