皆さんは新聞が1日にどの程度発行されているかご存知ですか。
2017年現在の発行枚数は、日本新聞協会によりますと42,128,189部だそうです。
ほとんどの人が、4千万部以上の新聞が発行されている事に驚きを感じたのではないでしょうか。
私も、この数字が本当なのかとかなり疑問に思いました。
しかし、これはあくまでも発行枚数にすぎません。
つまり、4千万人の目に届いているかというと、それは絶対にありえません。
今回はどうして、この時代に4千万部ものの発行が維持できているのか考えてみました。
①大量注文が支えている
皆さんはご存知ないかもしれませんが、世の中には新聞を大量発注している人たちがいます。
それがどこかというと、行政です。
例えば、図書館であれば全国に約3000館あると言われており、各図書館が朝夕刊合わせて14種類、5部ずつ取っていると仮定すると、それだけで20万部以上が発行されていることになります。
実際は、もう少しあるはずなので、図書館だけで50万部を超えている可能性も十分に考えられます。
次に、各省庁や自治体が資料として少なく見積もっても300万部以上を取っていると考えられます。
他にも民間企業やホテル、喫茶店、理髪店、パチンコ店などなど顧客サービス用も含めると余裕で1500万部を超えると考えられます。
②売れ残りも発行部数に含まれる
駅やコンビニでも新聞を取り扱っていることはご存知だと思います。
しかし、ほとんどは売れておらず、残念ながら古紙として廃棄されています。
その、古紙も発行部数に含まれています。
詳しいデータがないので、なんとも言えませんが、コンビニが約56000件存在するので、1店舗当たり50部を仕入れなければならないとしても280万部になります。
実際は各新聞を10部ずつ、スポーツ紙も合わせて10種類以上と考えると、余裕で500万部を超えます。
それに合わせて、「売店設置駅が500駅」×「各駅売店が3つ」×「コンビニより売れるので全部で200部」×「朝夕の2回」とすると、60万部になります。
あくまでも想像の範囲ではありますが、この売れ残りだけでも1000万部近くあっても不思議ではありません。
③押し紙が大きく貢献している
押し紙という言葉を聞いたことのない人も多いと思いますので、簡単に説明します。
押し紙とは、新聞社が販売店に対して強制的に押し売りをする新聞の事です。
例えば、販売店は1000部しか必要がないのに、新聞社が強制的に2000部を仕入れるよう命令する事があるそうです。
もちろん、余った1000部は配られる事はなく、古紙業者によって処分されます。
ひどい、販売店では契約をもらっていない家に勝手に配っている事もあるようです。
もちろんですが、料金を取ることはありませんが、新聞がいらないから取っていないのに、勝手にポストに入れられるのは迷惑で仕方がありません。
この、押し紙によって、倒産の危機にある販売店もかなり多いようです。
どうして新聞発行部数にこだわるのか
新聞の発行枚数が4千万部を超えている理由は分かっていただけたと思いますが、どうして新聞社は発行部数にこだわるのでしょうか。
理由は、新聞社の大きな利益が広告収入だからです。
新聞に掲載する広告は超高額広告媒体で、新聞社としても大きな売上の一つとなっています。
しかし、発行枚数が減っている事が数字となって現れると、広告が売れなくなります。
なので、新聞社としては発行部数が命なのです。
また、販売店でも新聞に挟む折り込み広告が収益の柱なので、配布枚数の水増しは行なっています。
そのために、押し紙を喜んで仕入れている販売店があるのも事実でしょう。
結局は、広告ビジネスなので、タダでも多くの人に届けたいのが、新聞社・販売店の狙いです。
今後も、需要が少なくなると考えられる新聞業界ですが、個人的には、もう限界を超えている段階だと思っています。
ですので、そろそろ新聞紙ビジネス以外を考えた方がいいのではと思います。