近年の野球ブームの静けさから、野球球団の運営は非常に厳しい状態が続いています。
もちろん、球団運営は利益以外にも宣伝目的とした部分があるので、マイナスが出ても宣伝費だと思えば企業からしてみれば、安い事でしょう。
毎日のようにスポーツニュースで企業名を読んでもらえ、新聞にもタダで掲載してもらえるのだから、よく考えると最高の広告媒体のような気がします。
しかし、球団を持っている企業というと、大手ではありますが、日本の経済成長を支えてきた、巨大企業は少ないです。
例えば、トヨタやソニーであれば、球団を持てるだけの金も力もあるにも関わらず、保有していた歴史もありません。
今回は、なぜ巨大企業が球団を保有しないのかを徹底的に調べてみました。
可能性① アンチが多い
一番に思いつくのは、アンチの存在です。
例えば、阪神は、熱烈なファンを多く持つ球団として一般的に知られています。
特にライバル心の高い巨人を応援する企業などがいれば嫌うはずです。
仮にトヨタが、巨人の運営会社だったとすれば、間違いなく関西からトヨタのシェア率が下がっている事でしょう。
今は、幸いなことにメディアが親会社をやっているので買うといった感覚は少なく、売り上げにそれほど影響はないと思いますが、万が一、アンチの多い球団に成長してしまった時の事を考えるとリスクが大きすぎると考えます。
マツダが広島の実質的親会社なのに、正式にならないのはこの事が大きな理由だと言われています。
可能性② 知名度を売りたいわけではない
初めにも言ったように、球団運営の目的は企業知名度の拡大です。
しかし、トヨタやソニーが今更、企業知名度を上げたいかというと、間違いなくNOです。
もはや、知らない人を探すほうが難しいような、巨大企業が莫大な金を使ってまで運営する必要は全くないと思います。
それなら、球場に広告を出したり、ユニフォームにロゴを付けたりと、メインじゃない所で、宣伝・貢献するほうが、①のリスクも受けることがありません。
実際に巨大企業の多くは、こういった方法により、宣伝・地域貢献・社会貢献を目的とした広告を打っています。
可能性③ 本業と結びつかない
今でこそ、IT企業などの参入で昔と大きく変わりましたが、野球運営は本業と結びつけることが出来る企業が運営することが望ましいと思います。
阪神や西武は典型的な例で、球場に足を運ぶ為に電車を使う為、本業も儲かります。
また、中日や読売も自分の球団を徹底的に掘り下げた記事を書くことが出来、本業の売り上げに貢献できます。
こういったような、要素を含むことが出来ない為、巨大企業は運営しない選択を取っていると考えられます。
サッカーはどうなの?
Jリーグの場合は、運営会社が日本を代表する巨大会社の場合が多いです。
理由は簡単で、サッカーは、野球と違ってアンチが少ない上に、社名で呼ばれる機会が少なく、野球以上に地域性が高いスポーツだからです。
その為、社会貢献・地域貢献の一環で出資する巨大企業が多いのです。
また、野球が衰退気味の今では、サッカーの方が今後の宣伝媒体として価値が高くなる可能性があります。
巨大企業はそういった部分にも着目して、出資を続けているのだと考えられます。
中小企業で、少しお金に余裕のある企業は、野球運営はさすがに費用が掛かりすぎるので、サッカーでJ2やJ3を運営することをお勧めします。
もちろん、宣伝の効果は薄いですが、J1に上がれば、テレビでも新聞でも取り上げられ、企業名が全国に知れ渡る事でしょう。
あくまでも、参考データーですがJ3の収益は、マイナスの大きいチームで3000万円程度なので、それなりの企業であれば、頑張れば運営できるのではと思います。
また、J3でも損益がプラスのチームもあるので、マーケティング次第では事業として成り立つ可能性もあります。
ぜひ、中小企業の社長さんは検討してみてはいかがでしょうか。