コロナウイルスの影響により、中小企業の経営が危うくなっていく事が予想されます。
このまま、半年や1年以上の長期戦になれば、良くても2割程度しか生き残れないのが現実でしょう。
しかし、企業は減るのかと言うとそういうことは無いでしょう。
終息後には新たな会社が生まれたり、一度ギブアップをした経営者が再起するので、今の数から大きく減少する事は考えにくいです。
むしろ、これをきっかけに自分に事業を始める人が増える可能性だってあります。
しかし、普通にやっていては、間違いなく今回と同じようになった瞬間に倒産してしまいます。
そこで、今回はこれから事業を始める人が必要な事は何なのかをまとめてみました。
固定費を最低限に抑える
今回のコロナ騒動で一番危ういのは固定費が高すぎる会社です。
例えば、工場やオフィスの家賃が高すぎたり、人を雇い過ぎて人件費が高すぎる企業は真っ先に資金がショートします。
その証拠に、個人飲食店でも自分の土地や自宅でやっている人は、それほど大きなダメージを受けていません。
当たり前と言えば当たり前なのですが、毎月の家賃や人件費が無ければ、売上が無くても、出費も発生しないのでお金は残り続けます。
企業が倒産する条件は、売上が無くなった時ではなく、お金が無くなった時なので、固定費を最低限に抑えられている会社は、終息まで大人しく待っていればいいのです。
つまり、これから事業を始めるのであれば、固定費のかかる事業は絶対に止めておいた方が良いでしょう。
飲食店や店舗はもちろん、オフィスを借りる必要があったり、大量の人が必要だったり、ライセンス料が必要な事業であれば方法を考え直すべきです。
飲食店は飲食店でも自分の家で出来るデリバリー専用にしてみたり、全従業員を業務委託契約にしたりすることで、固定費はかなり抑えられるはずです。
製造系であっても、完全に外部の工場に製造委託する「ファブレス企業」を目指すべきです。
こうする事により、例え数年以内に同じような事が起きても会社の維持は出来ますし、借金を負う心配もありません。
ゴールを設定する
今回の騒動で分かったと思いますが、どれだけ企業規模が大きくなったとしても、危うくなる時はあります。
言い換えると、会社にも必ず寿命があると言う事です。
と言う事は、ゴールを設定しなければなりません。
多くの企業が取る一般的なゴールが他社への売却(M&A)です。
事業の一部を売却したり、会社ごと売却したりと、方法はそれぞれ違いますが、一人の経営者が会社を支えるには限界があります。
なので、「ここまで成長したのであれば売却」などと言ったように、迷わず売却出来るよう予め決めてい置いた方が良いでしょう。
その他にも、上場する事をゴールにする人もいますが、上場できるのは本の一握りしかいないので現実的ではありません。
ちなみに、このような戦略をEXIT戦略(出口戦略)と言います。
経営者が一番稼げる経営戦略でもあるので、どんな事業をするにしても必ず設定してください。
仕組みで稼ぐ
これまでのビジネスは、人とのつながりが大事でしたが、これからは仕組み作りが大事なってきます。
理由は簡単で、そうしないと先ほど紹介したEXIT戦略が出来ないからです。
例えば、あなたが年商1億円の企業を作ったとします。
しかし、売上の半数があなたの人脈による売上であれば、企業の価値は半減してしまいます。
つまり、売却する値段も半分になってしまうのです。
売却価格が半分になるぐらいであれば、まだマシなのですが、最悪売れない可能性だってあります。
考えてみれば当たり前なのですが、社長の人脈により売れている会社を売却したいと思うような企業はあるでしょうか?
ものすごい、特許などを取得しているのであれば、別ですがそうでなければ全く必要ないですよね。
なので、人脈で営業するのではなく、ブランドで営業する仕組みを作らないといけないのです。
ブランドを作るのはかなり難しいですが、これをしないとEXIT戦略は出来ません。
なので、どんなに小さくてもいいのでブランドを作っていきましょう。
一定のお金を会社に残しておく
固定費が高くても貯蓄が多い企業は、今回のような騒動の中でも比較的安定しています。
一般的には売上3ヵ月分の余剰金があれば優良企業と言われていますが、中小企業の場合は、もっとあっても良いのではと思います。
正直、あまり貯蓄をするのは景気的に望ましくない行為ですが、このような騒動があったからには仕方がありません。
少なくとも、売上がゼロであっても固定費の支払いが6ヵ月は出来るぐらいのお金は残しておいた方が良いと思います。
ただ、それ以上残してしまうと、必要な投資が出来なくなってしまうので、残しすぎるのも問題です。
ちょうど良いバランスを保つのは難しいですが、自転車操業にだけはならないよう気を付けましょう。
以上が、これから事業を始める人に必要な事です。
どれが大事なのかと言われると全部、同じぐらい大事です。
と言っても、最初は固定費を最小限にする事さえ出来ていれば問題ありません。
これから、事業を始めるには非常に厳しい世の中になっていきますが、サラリーマンとして働くのも、同じぐらい厳しい世の中になっていきます。
であれば、これを機会に事業を始めてみるのも悪くない選択なのではと個人的には思っています。