2018年4月2日は、多くの企業で入社式が行われました。
今年は曜日の関係で、1日遅いスタートとなりましたが、新入社員の皆様は、大きな期待と不安でいっぱいの時期だと思います。
これから、半年間かけて研修が行われる企業や、いきなり実務的な事を任される企業など様々ですが、いずれにも共通することが、1年以内に退職する社員が多すぎる事です。
少し前から、新卒社員が続かないと言われ続けていましたが、今年も同じような状況が続くと考えられます。
実際に厚生労働省のデータでは、1年以内の新卒社員退職率は11%を超えており、3年以内に至っては32%を超えています。
もちろん、年によって多少の違いはありますが、この数年はどの年も同じような数字で推移しています。
どうして、これほどまでに新入社員が続かないのでしょうか?
その要因となる事を考えてみました。
① 入社後のギャップが大きい
新入社員が退職する大きな理由は、説明会などで聞いていた”事前情報”と”事実”が大きく異なるからです。
例えば、残業がほとんどない会社だと聞いていたのに、実際に働いてみると毎日が残業で、おまけに土曜日の出社も強制という事も珍しくありません。
また、労働時間以外にも仕事の面で、「思っていた仕事と全く違った」ということも珍しくありません。
実際にあった例としては、スーパーマケットに就職した人で、パート社員の指導や管理・仕入れなど「管理職」をさせてもらえると思っていたのに、実際はレジや品出しをさせられ、パート社員とやっている事は何も変わらなかったという事もあります。
このようなギャップが存在する理由としては、企業側の説明不足と本人側の確認不足の両方が存在します。
企業側は人手不足が続く中で、一人でも多くの新入社員を確保したいのが本音です。
その事もあり、少しオーバーに説明をしたり、嘘を説明する事もあります。
本人側としても、説明会で手に入る情報だけを信じ込み、徹底的に企業研究をする人が少なくなってきています。
そんな事もあり、入社前と入社後で大きなギャップが生まれてしまうのです。
② 代わりの仕事がいくらでもある
先程も言いましたように、現代は人手不足で企業としては、どんな人材であっても欲しいと感じています。
その事もあり、転職活動がしやすい環境と言えるでしょう。
なので、少しでも気に入らないことや、違うと思ったことがあれば、すぐに転職してしまいます。
正直、逃げていると言えば、そうなのかもしれませんが、私としては様々な事にチャレンジできる最高の環境が整った時代だと考えています。
人というのは、それぞれに得意な分野や苦手な分野があり、やってみないと分からない事が沢山あります。
実際に私の知り合いで、ITエンジニアから営業に転職をして、大成功をした人もいます。
このように、様々な事がチャレンジできる環境に生まれたからには、様々な事をしないと勿体ないです。
企業にとっては大きな負担になりますが、それも投資の一環だと思えば、それほど悪くないのではと思います。
③ 独立がしやすい環境にある
クラウドファンディングやベンチャー投資など、初期費用を最低限に抑えて起業する方法がいくらでもある時代になりました。
そんな事もあり、若者の起業が増えてきているのも事実です。
一般的に3年ぐらいは企業で勉強するのが、これまでの流れでしたが、今は1年も働けば十分と言われています。
もっというと、今後は学生起業家が増え、新入社員の数自体も大きく下がる事だと思います。
④ 単純に甘えがある
最後は、単純に甘えている人も多いという事です。
現代はフリーターや派遣など働き方が多様化しており、正社員としての責任を追う事なく、稼げる時代になりました。
特に大学生の間に自由で楽しい思い出しかない人は、もう一度その時に戻りたいと感じ、フリーターになる人も多いようです。
個人的には、それも個性があって自由に生きる人の多い現代では”アリ”だと思いますが、世間体としては厳しいのが現実です。
例えば、結婚にしても、住宅ローンにしても、再就職にしても、全てが難しくなります。
ただ、自分の気持ち次第では、一度レールから外れてしまっても軌道修正が可能です。
せっかくの人生なので、一度くらいはレールから外れて自由な生活を体験するのもいいですが、期限を予め決めておき、その後の人生プランもある程度は決めておきましょう。
最後に
新入社員の皆様は、これから様々な辛い事・辞めたくなる瞬間が待ち受けています。
そこで、辞めてしまうのも人生ですし、耐えるのも人生です。
現代では仕事が溢れかえっているので、無理してやりたくない仕事を続ける必要はありませんが、無理をするのも悪くないと思える日が来るのも事実です。
例えば、無理をする事で、「出世をしたり」、「ボーナスが大幅に増えたり」、「新事業に携われたり」と良い事も待っています。
ただ、それが幸せかというと、人によって異なるでしょう;;
最終的に重要になるのは、普通に暮らしていけるだけのお金を稼げているかということです。
それさえ、出来ているのであれば、どんな仕事をしていても、フリーで活動していても、投資家になろうとも全く問題ありません。
新入社員の皆様は、可能な限り頑張り、だからと言って、自分を追い詰めるほど無理をする事なく、様々な逃げ道がある事を頭の片隅に残しながら、励んでいただければと思います。
そうする事で、気持ち的にも楽になり、結果的に長く続くのかなと思います。