コロナウイルスの影響により、多くの業種では営業活動が制限され、人手が余るという事態が発生しました。
その傾向は2020年10月時点でもほぼ同じように続いており、これから大企業でもリストラが加速すると考えられています。
しかし、そんな状況でも人手に困っている企業もあります。
これだけ、人が余っている時代に人手に困るとはどういうことなのでしょうか。
確かにスーパーなど一部の業界では、コロナウイルスにより業績をアップさせています。
そういった企業が人手に困っているのですが、それと同じぐらい仕事を探している人もいます。
つまり、需要と供給があるにも関わらず上手くマッチングしていないという事です。
これには、企業側に大きな理由が存在します。
給料が安すぎる問題
どうして、マッチングが上手く行かないとのかと言うと、給料が安すぎるという問題があるからです。
1人暮らしの人が生きていこうと思うと、最低でも月20万円ぐらいは必要になります。
つまり、総支給に換算すると25万円ぐらいは必要になるという事です。
しかし、残念ながらマッチングが上手く行かない企業の多くは月収18万円など、生きていく上で不十分な給料が設定されています。
田舎の一人暮らしならまだしも、都会の一人暮らしや家族のいる人なら到底無理です。
この時代に人手不足に悩む企業の9割は給料が問題です。
これまでは時代のせいにしてきましたが、それは大間違いです。
単純に魅力が無いから応募が無かったという事に気が付く必要があります。
どうすれば給料を上げる事が出来るのか?
給料が低い会社の多くは、利益が少ないから給料を上げる事が出来ないと言われています。
つまり、薄利多売の商売では限界があるという事です。
特に中小企業で薄利多売をしてしまうと、利益など残せるはずがありません。
薄利多売は大手企業がサービス品質を落として、大量の客を裁くために存在する手法です。
これを中小企業が真似をしようと思っても、到底かなうはずがありません。
なので、給料を上げるにはまず薄利多売を止める事です。
「そんな事をしたら売れない」と言われるかもしれませんが、しっかり利益を乗せて売っている中小企業も存在します。
では、どうすれば割高でも購入してくれる仕組みを作り出すことが出来るのでしょうか?
割高でも購入される条件とは?
他社より割高であっても購入される条件とは何なのでしょうか?
それは、サービスの質を上げるという事です。
例えば、飲食店でビールを注文したとします。
普通のジョッキに入っているビールに1000円は高いイメージがありますが、きちんとしたウエイトレスさんが、洒落たグラスに注いで持ってきてくれ、ちょっとしたおつまみが付いてくると、1000円も妥当だと感じるでしょう。
このようにちょっとした付加価値を提供することで、高い商品でも高く見せないようにすることは可能です。
それぞれの業種で付加価値の付け方は異なりますし、あまりにも費用の掛かる付加価値ですと、結局利益を圧縮してしまいます。
バランスが難しいのですが、ちょっと豪華に見えて、しかもコストが掛からない付加価値を考えていく必要があると思います。
どれぐらいの給料なら良いのか?
では、実際にどれぐらいの給料を渡せば求職者に困らないのでしょうか。
1人暮らしをターゲットにするなら、東京都内で月収27万円は必要です。
ただ、多くの場合はこれに残業代が含まれていますが、残業無しで27万円を実現させるのが理想です。
かなり難しいと思いますが、これぐらいなければ、人間らしい生活は出来ません。
家族がいるとなると、家族の人数×2万円ぐらいは必要です。
高すぎるなんて言われるかもしれませんが、人の時間を買っているのですから、それに対する対価を払うのは当たり前です。
実際に給料を良くすることで、業績が上がった企業はいくつも知っています。
経営者が独り占めしたい気持ちは十分に分かりますが、それでは上手く回るはずがありません。
リスクがあるのも十分承知ですが、給料をケチっているようでは成長できないと思います。
それでも給料を上げたくない場合は?
ここまで読んでも、給料を上げたくないのであれば、上げなくても良いと思います。
安い金で労働力を手に入れられるのであれば、それでも良いと思います。
ただ、この先は単純なサラリーマンと言う働き方が無くなっていきます。
安い給料の人は必然的に副業を始める事でしょう。
つまり、安い給料の会社は定着率が悪くなり、そのうち誰からも見放されます。
それでも、良いのであれば特に無理して変えなくていいでしょう。
しかし、事業を継続させたいのであれば、無理してください。
特にサービス業と言う業界では給料が安すぎます。
明らかに労働に対しての対価が支払われていません。
なので、私はサービス業の仕事を完全に辞めました。
時給1000円ほどで、あんな仕事をするのは正直バカバカしい感じがします。
今、働いている人も同じことを考えているはずです。
つまり、全社員が退職予備軍という事です。
こんな会社ってこの先、やっていけると思いますか?
考え方を変えるのは難しいと思います。
しかし、社員を奴隷と思う考え方は終わりを迎えてしまいました。
稼ぎたいのであれば、時代に乗ってください。
時代は在宅×短時間勤務×高収入です。
これでも稼げる仕組みを作るのが経営者の役割です。
経営者が無能なばかりに社員に負担をかけているという事に気が付いてください。