レギュラーガソリンが160円超え!なぜガソリンの価格が急騰しているのか?

資源エネルギー庁が2021年10月20日に発表した情報によりますと、レギュラーガソリンの店頭における現金小売価格の平均は、1リットルあたり164.6円でした。

これは、2014年10月以来の高水準で車が生活必需品という人たちからは悲鳴が上がっています。

しかし、どうしてここまでガソリンの価格は急騰してしまったのでしょうか。

また、今後はどのように推移していくのでしょうか?

車を持っていないから関係ないと思っている方も、他人事ではありません。

電気の発電や物資の輸送、製品の製造にも石油が多く使われています。

ガソリンが急騰しているということは、電気代が上がるということですし、配送料も高くなりますし、物価も上がっていきます。

この状況が続くと、給料は上がらないのに物価だけが上がっていくという悪循環がさらに加速してしまいます。

ということで、ガソリンが上がり続ける理由と、今後どのようになっていくのか考えてみましょう。

新型コロナウイルスの収束で需要が拡大

ガソリン価格が急騰している理由の一つは新型コロナウイルスの収束により、石油需要が拡大しているからです。

これまで、経済活動が抑えられてきましたが、各国ではワクチンの接種率が高まり、徐々に平常運転に戻りつつあります。

身近な例で言うと、観光やレジャーで移動が増え、ガソリンの消費量が増えています。

他にも、工場の稼働が本格的に始まり、多くの電気を必要とし、その電気の発電で石油が大量に使われています。

これが、日本だけでなく世界中で起きているため、石油の在庫が少なくなり、それに伴ってガソリン価格も急騰しています。

おおよそ、1年間も経済活動が止まっていた分が一気に消費されようとしているので、これが収まるにはそれなりの時間がかかると見込まれます。

まだまだ、経済活動を完全再開できたわけではないので、完全再開できた時には今以上に石油の需要が高まる可能性も考えられます。

石油原産国が石油の減産を行なっている

ガソリン価格が急騰しているもう一つの理由は石油原産国が石油の減産を行なっているからです。

コロナショックが起きた2020年は、史上初の石油価格がマイナスを記録しました。

どう言うことかと言うと、石油を保管しておくにもスペースに限りがあります。

しかし、あまりにも売れないので、スペースが無くなってしまい新たに製造した石油の保管場所がなくなってしまいました。

そうなると、無料でも引き取ってもらうため価格がゼロになったのですが、それでも引き取り手が出なかったため、お金を払って石油を譲ると言う状態になりました。

マイナス価格になったのは、アメリカのウェスト・テキサス・インターミディエートと呼ばれる先物の話ですが、サウジアラビアなど他の原産国も同じような感じで大損をしたことには変わりありません。

このようなこともあり、原産国は石油の減産を行い、過剰に在庫を作らないよう調整を行なっています。

石油原産国が増産を発表すればガソリン価格は落ち着くと考えられますが、石油原産国としては、損をした分を取り戻し、さらに稼げるうちに稼ぎたいと言うのが本音でしょう。

したがって、しばらくは増産を発表しないのではと考えられます。

世界的な脱炭素の進み

今、世界では脱炭素が推し進められています。

特に中国ではオリンピックを控えていると言うこともあり、脱炭素に向けて積極的にアピールを行なっています。

それに伴い、石炭の輸入禁止を行なったり、石炭鉱山の操業を停止しており、クリーンエネルギーによる発電を目指しています。

しかし、世界経済は急速に回復しており、残念ながらクリーンエネルギーだけでは電力の発電が追いつかず、石油による発電に頼っています。

石炭により大量に電気を発電してきた中国が石油による発電に切り替えたと言うことは、これまでよりも多くの石油を必要とすることが誰でもわかると思います。

こう言った脱炭素の進みに伴い、石油の需要が拡大しているのです。

どこまで価格が上がるのか?

ここからは予想になるため確証はありませんが、おそらく過去高値のレギュラーガソリン1リットルあたり182円を超えてくるだろうと考えています。

理由は石油の原産国が増産を発表しないからです。

やはり、原油の原産国としては、今は稼ぎたいと言う思いが強いので増産にはかなり慎重です。

と言うのも、脱炭素の動きがどこまで本当に進むか分かりませんが、もっと安定的に安全で大量に作り出せるクリーンエネルギーの開発に成功すれば、原油は必要なくなります。

もちろん現実的にはかなり難しいですし、現在の風力や太陽光だけで世界の電力を賄うには無理があります。

しかし、世界が本気を出せば本当に開発に成功してしまうかもしれません。

それだけ、地球の環境破壊は切迫した状況まで来ています。

このことを考えると、増産して安く売るよりも高く売ったほうが原油原産国としては、当面のキャッシュを獲得できると考えるでしょう。

あまりにも上がりすぎると本当に石油離れが進む

もし、このまま原油原産国が増産を発表せず、石油価格が上がり続ければ、原油離れが発生し脱炭素の動きが加速します。

考えてみれば当たり前ですが、自分の利益ばかりを考えて高く売ってくる業者は切り捨てられて当然です。

なので、この石油価格の高騰が新しいクリーンエネルギーの開発をさらに加速させるかもしれません。

いつの時代も困難が押し寄せた時に時代が変わりました。

今回の原油価格高騰も世界の困難であり、今こそ時代が変わるタイミングなのかもしれません。

今後、とんでもない発想から新しいエネルギーの作り方が見つかることに期待したいです。

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