現在、介護業界では少子高齢化社会の影響もあり、介護士が不足しています。
ひどい施設では数十人単位で不足しており、そのしわ寄せが既存の介護士にかかり、それが原因で辞めていくというケースも増加しているそうです。
このままでは、介護士がさらに不足してしまいます。
今回は、そんな介護士不足を解消するためにどうすればいいのかを考えていきたいと思います。
介護士希望者が少ない原因とは
そもそも、なぜ介護士になりたいという人が少ないのでしょうか。
まず一つ目がお金です。
とにかく、介護士の給料は安すぎます。
最低賃金での募集が当たり前で、昇給もほとんどありません。
なので、やりたくないというより、その仕事では食べていけないと考える人が多いのでしょう。
そして、二つ目がキツイことです。
老人の介護というのは、皆さんが想像している何十倍もキツく、辛いことがあります。
中には文句を言ってくる老人も少なからずおり、介護をしてあげているのにと思うこともあるそうです。
そして、三つ目が労働時間が長いことです。
特に入居型の介護施設では昼間も夜も稼働しなければなりません。
夜は寝ていると言っても、朝起きたら冷たくなっていたでは済まされないので巡回が必須です。
こういった事もあり、さらに介護士は減っていくことが予想されます。
給与を上げるのが一番の解決方法
現状を一発で解決する方法は、給与を上げることです。
医者やパイロットが人気の理由は、カッコいいからではなく給与が高いからです。
もし、パイロットの月収が最低賃金であれば、とてもカッコいいと思える仕事ではなかったはずです。
全ての職業人気は給与に比例すると言っても過言ではないのです。
しかし、現実問題としてどこから給与を上げるだけの収益を増やすかということです。
簡単なのは利用者の負担を増やすことです。
現在は様々な制度があり、年金だけでも老人ホームに入ることができます。
しかし、それでは自治体からの支援があったとしても収益が少なすぎます。
なので、利用者の負担額をもっと増やせば必然的に収益が増え、給料も増やすことができるのです。
負担額が増える子供が破産する
ただ、負担額を増やすと言っても貯金がゼロの高齢者も沢山います。
そう言った場合は、その子供が負担をしたり、施設への入居を諦めるしかありません。
そうなると、子供が破産をしてしまうかもしれません。
現在では介護休暇が取れる企業も増えましたが、まだ少数派には違いありません。
そんな状況では、仕事を辞めるか、高い老人ホームに入れるしか選択肢がなく、破産する可能性も否定できません。
なので、利用者の負担額を増やすにはこれから、慎重に議論していく必要があり、まだまだ時間がかかりそうです。
ロボットの活用で人材不足の穴埋め
世の中は、空前のAIブームで介護の世界も例外ではありません。
ロボットを活用することで、おそらく介護に必要な人材は半分以下になるでしょう。
そうなると、介護士不足どころか、介護士が余ることも考えられます。
これらの人材を解雇するのではなく、ロボットが出来ない人間対人間のサービス向上に努めれば、競争力が増し、介護業界でも稼げる時代になります。
初期投資こそは莫大ですが、これに乗り遅れるとさらに状況は悪化します。
現在でも介護ロボットはそれなりの性能を持っており、実際の現場でも利用可能です。
ぜひ、他社が導入するのを待つのではなく、自ら率先して導入をして欲しいと思います。
特に人材に困っている施設は迷っている暇はありません。
生き残るか、消えていくかのターニングポイントはまさに今なのです。