いつの時代にもリスクや元手が少なく、手っ取り早く起業できる業種として人材紹介があります。
募集企業に営業して、求人広告で集めて、マージンを貰うというシンプルなビジネスモデルですが、最近は募集企業の営業すら必要なくなりました。
どうしてかと言うと、人材紹介データベースが使えるようになったからです。
これらを利用すれば、人材紹介を求めている企業が一覧として表示され、既に営業済みなので人材さえいればすぐに紹介できるという状況です。
しかし、本当にそう簡単に利益が生まれるのでしょうか。
実際に使ってみてどのような状況だったのか纏めてみましたのでご覧ください。
月額費用が高すぎる
まず、問題の一つとして月額の費用が高すぎます。
あるデータベースでは月20万円+紹介報酬の一部といったように手数料を年間300万円~400万円払う必要があります。
案件を取ってくる営業の人件費だと考えれば安いのかもしれませんが、データベースとしては少し高い印象です。
回収できるならいいのですが、一年目ではこのようなデータベースを使ったところで回収できない可能性があるので、十分に検討が必要だと思います。
採用率が低すぎる
次の問題が採用率が低すぎると言う事です。
多くの人材紹介会社が同じデータベースを見ているのですぐに埋まってしまったり、多数の応募者の中から選ぶ為、どうしても採用難易度が高くなっています。
ある企業においては、1年間真剣にやっても採用がゼロだったそうです。
これだったら、独自で新規開拓をして人材紹介した方がマシです。
応募条件が厳しすぎる
独自の営業であれば応募条件に付いて多少の交渉は可能ですが、データベースの場合は企業の指定する条件を満たす人しか応募できないようになっています。
つまり、せっかく人材を集めても応募すら出来ないのです。
更に言うと、ほとんどの求人で厳しい条件が与えられているため、30人の人材を集めても応募できるのは10人、そのうち書類審査に通るのは1人か2人程度です。
もうお分かりかもしれませんが、1日1人の応募では全く話にならないと言う事です。
少なくとも1日に30人以上の応募を獲得しなければ事業として成り立ちません。
紹介手数料が安い
月額料金の部分でも少し言いましたが、大半のデータベースは紹介報酬の一部をデータベース提供者に渡さなければいけません。
つまり、独自営業する案件より紹介手数料が安いのです。
ただでさえ、費用が掛かっているのに売上となる手数料が安いのでは、さらに経営を苦しめる事になります。
もちろん、一般的な金額の案件もありますが、そういった企業は採用難易度が高いとお考え下さい。
結局使うべきなのか?
ここまでデメリットを上げてきましたが、人材紹介データベースは使うべきなのでしょうか。
私のが経営者なら使うと思います。
理由は営業コストがある程度固定され、間違いなく案件を得られるからです。
もちろん、採用難易度が高いのは考えようですが、求人広告マーケティングとサポート体制を整えば何とか利益は得られます。
そこをどうやって運用していくかが描けるのであれば、利用しても損はないと思います。
ただ、マーケティングノウハウもなく、適当に考えているのなら使わずに地道に営業した方が間違いなくリスクなく始められます。
とくに起業1年目の会社はとにかくお金もなく、売上もない状態だと思います。
そのような状況でギャンブル的に400万円近くの買い物をするのは望ましくありません。
だったら、新規開拓の営業を頑張り、それでもダメな場合に利用するぐらいが良いのかと思います。