企業には大きく分けて2つの会社があります。
それは、成長を続ける会社と衰退していく会社です。
私は仕事柄、様々な企業の代表や人事部との交流が多く、成長も衰退も間近で見てきました。
そこで、今回は衰退企業の特徴を実体験をもとにまとめてみました。
ケース① 採用活動を止める
私が過去に在籍していた会社の話ですが、そこは世間でも有名なブラック企業の子会社でした。
社員の離職率は高く、ネットでの評判も最悪でしたが、業績は安定しており、顧客数・売上共に年々右肩上がりの成長を達成していました。
そんな事もあり採用活動にも、かなりの予算を使っていたのですが、急に方針が変わり採用費をケチり始めました。
その結果、既存社員の顧客数・売上が大きく減少し、会社としての業績も危うくなってしまったのです。
どうして、採用活動を止める事で業績が悪くなったのかというと、既存社員のやる気が一気に下がったからだと考えられます。
そもそも、ブラック企業でしたので、それほどやる気のある人が少なかったのでしょうが、新しい社員が入らない環境では、格好をつける必要もなく、新人に負けるという危機感もなくなり、さらにやる気が無くなっていました。
これは、ブラック企業以外にも言えることだと思います。
新しい人が定期的に入る事によって既存社員は大きく成長することが出来ます。
ですので、たとえ人手が足りていたとしても、既存社員を成長させるために新しい人を採用するべきだと私は思います。
もっと言うと、今の規模で満足しているような会社では、それ以上の成長は見込めません。
人件費を節約したいのは、分かりますが企業は人があってこそ初めて企業として存在できます。
衰退気味の企業こそ、人件費・採用活動費に予算を割いていただきたいです。
ケース② 顧客を1社に依存する
これは、私のお客様の話ですが、部品製造の会社で取引先が3社しかありませんでした。
その3社は日本を代表するようなメーカー企業でしたので、経営陣も安心していたのかもしれませんが私としては、不安でしかありませんでした。
そして、その不安は的中し、3社のうち2社は部品を自社製造すると言い出し、取引が終了してしまったのです。
その結果、売り上げは大きく減少し、リストラという選択も、せざる得なくなってしまいました。
現在でも、その状況は続いており、100名近くいた社員は15名程度まで減ってしまいました。
また、営業社員もいなくなってしまったので、顧客が増える可能性もゼロに近い状態です。
このように、1社または少数の取引先に売上の多くを依存すると、その会社次第で倒産という事もあり得ます。
難しいかもしれませんが、1社に依存することなく、複数の会社から少しずつでも仕事をもらえるようにしましょう。
ケース③ リスク管理が出来ていない
こちらも、私のお客様の話ですが、万が一の事を全く考えていない企業がありました。
その結果、不祥事を起こしてしまい、適切な謝罪・対処もできず、あっけなく倒産してしまいました。
もし、不祥事を起こしたときの為にマニュアルを作成していれば、倒産は免れたかもしれません。
これは、中小企業に本当に多いケースです。
どんな企業にもリスクというものが存在します。
そのリスクについては、事前に発生を想定し、対応策を考えておく必要があります。
もちろん、そのためには専門の部署が必要であったり、お金も必要です。
しかし、それだけ重要なことですので、経費を惜しまずにリスク管理に徹底しましょう。
ケース④ 失敗を放置する
これは、私が今在籍している会社の話です。
会社には個人としての失敗はもちろん、会社としての失敗も沢山あります。
その失敗で倒産する事があるにも関わらず、失敗をなかった事のように放置しています。
私の会社はでは、新しい事業に手を出しすぎて、制御が出来ず全く売上になっていない状況です。
しかし、経費はかかり、それが大きな負担となっています。
経営判断を間違えたと思うのであれば、軌道修正をする必要がありますし、潔く撤退することも大切です。
経営者としては、失敗を認めることはプライドが許さない事も十分に分かりますが、それでは会社経営はできません。
社員も同じように失敗をなかったことのように隠し、会社としてさらにひどい状況になる可能性もあります。
ぜひ、経営者から率先して失敗を公表し、反省して、改善策を考えるようにしてください。
衰退企業が復活できる可能性は極めて低い
これまでの私の経験では一度、衰退企業になると、復活は極めて難しいです。
もちろん、大手企業であれば、経営者の交代・株主の交代で変わる事も出来ますが、中小企業では天文学的確率と言っても過言ではありません。
ですので、企業を経営する以上は、一度たりとも衰退企業と呼べる状況にしてはいけません。
常に成長を続ける、常に成長を夢見る姿を見せることが、本当の成長につながります。
ぜひ、経営者の皆様は成長する事だけを考えて生きてください。
そうれば、社員にもそれが伝わり、本当に成長できる企業になります。