一昔前であれば、憧れのマイホームを持つのが当たり前で多くの人が「人生最大の買い物」と称し購入していたと思います。
しかし、現代においてマイホームを買うのは正しい選択と言えるのでしょうか?
今回のマイホームを購入するリスクの面から、マイホームの購入が本当に正しいものなのかを考えていきたいと思います。
価格変動のリスク
まず一つ目に挙げられるリスクは「価格変動」です。
ただ、価格変動といっても大きく分けて二つに分類されます。
一つ目の価格変動リスクは、地価の変動によるものが考えられます。
例えば、再開発によって大型商業施設が出来たり、新しい路線や駅が出来る事で地価は上昇します。
その逆で、街の衰退により購入時よりも地価が大幅に下落してしまう事もあります。
例としては武蔵小杉がわかりやすいでしょう。
武蔵小杉では再開発が進み、地価が上昇傾向にありましたが、令和年年台風19号被害により街の脆弱性が見つかり地価は大幅に下落すると考えられます。
このように、購入時に比べて大幅に下落してしまうリスクがあるのです。
二つ目の価格変動リスクは、老朽化によるものが考えられます。
家というのは年月が進むにつれて、老朽化していくのは当たり前です。
つまり、日が進むにつれて自然と価値が下がっているのです。
例えば、建物代が1000万円の物件があったとします。
1年後には少なくとも800万円まで価値が下がっている事でしょう。
そして、されに1年が経つと、700万円になり、次第に0円になってしまいます。
もっというと、修繕費用・取り壊し費用などが発生し、マイナスになってしまう事もあるでしょう。
このように、老朽化に対応しなければらないというリスクもあるのです。
状況変動リスク
次に挙げられるリスクは「状況の変動」です。
「状況の変動って?」と思われるかもしれませんが、結婚や離婚、出産、親の介護、転勤、リストラ、転職、給料の大幅減少、怪我、入院など人生において思いもよらぬ変動があるかもしれません。
賃貸であれば、その変動に応じて物件を自由に選べますが、マイホームとなるとそうはいきません。
「状況が変われば売ればいい」という考え方もありますが、先ほども言いましたように「価格の変動」というものがあるので、大きな損失を出してしまうかもしれません。
空室のリスク
状況が変わって住めなくなれば、誰かに貸し出せば良いという考え方もあります。
確かに、誰かが借りてくれるのであれば、そこで利益も得られますが、空室のリスクも考えなければなりません。
現在、日本には800万件以上の空室があり、明らかに供給が多すぎる状況です。
この状況で、空室のリスクを無視することはできません。
空室の状態が長すぎると、収益が得られないだけでなく、ローンの返済や固定資産税などでマイナスになってしまいます。
また、人が住んでない家は老朽化の進行が早く、価格変動のリスクにもなります。
今後は、空室がさらに増えると考えられるため、「住まなくなったら貸そう」なんて考えは捨てた方が良いかもしれませんね。
家賃とローン返済が同額ならどっちが良い?
家を買う人の多くは、家賃とローンの返済額が同額または、少し安くなるという営業トークに釣られているようです。
しかし、同額の場合は本当にお得なのかをもう一度、考え直す必要があると思います。
特に「状況の変動リスク」については予想が難しいですが、これによってローンだけが残ってしまったという話もよくあります。
これを考えると、賃貸というのはいかに安全で、リスクが少ないか分かっていただけたはずです。
ぜひ、家を買う際は、リスクもよく考えて購入してください。
ちなみに、リスクを最小限にするためには、定年後に家を買うのがベストです。