コロナウイルスの影響で関西・東海・九州の大手鉄道会社はどれだけの赤字を出したのか?<2020年4月~6月の実績>

新型コロナウイルスの影響により、通勤・旅行と言った移動需要が大幅に無くなりました。

それにより影響を受けたのが交通業界です。

今回はその中でも関西・東海・九州の鉄道業界がどれほどの影響を受けたのか、各社の2020年4月~6月までも成績が出てきましたのでまとめてみました。

東海旅客鉄道(JR東海)

約726億円の赤字(前年同期比:-155.3%)

東海道新幹線を運営するJR東海も出張・旅行需要の減少から大幅な赤字を記録してしまいました。

在来線特急の落ち込みども酷く、しばらくは回復の見通しが立っていない状況です。

また、東海道新幹線においてN700系Sを導入し、こちらの減価償却負担も大きくなっています。

その他にも流通部門の名古屋タカシマヤは一時休業となりこちらも大打撃です。

リニア中央新幹線に関しても静岡県との交渉が難航しており、こちらの負担も大きくなっています。

西日本旅客鉄道(JR西日本)

約767億円の赤字(前年同期比:-280.5%)

山陽新幹線・北陸新幹線(一部)を運営するJR西日本も通勤・旅行の需要が減り大幅な赤字となっています。

その他にも貸し出しているいる賃料も減り、ホテル、子会社の旅行会社もかなりの大打撃を受けています。

資金は社債の発行・コマーシャルペーパーにより十分なほど確保しているので当面は大丈夫だと思いますが、1年以上この感じであればかなり厳しい状態になるかと思います。

九州旅客鉄道(JR九州)

約152億円の赤字(前年同期比:-194.6%)

九州新幹線・在来線共に大幅な利用者減を記録しており、名物である観光列車・特急列車も本数を減らしての運行を強いられています。

商業施設の利用者も落ち込んでおり、賃料収入も大幅に下がっているようです。

ただ、九州を軸に展開するドラッグイレブンの株式51%をツルハドラッグに売却しており、こちらで特益が出ています。

ただ、この特益すらも全く貢献されないほどの赤字を記録してしまいました。

名古屋鉄道(名鉄)

約76億円の赤字(前年同期比:-182.8%)

名古屋・岐阜エリアにおいて圧倒的な存在感を放つ名鉄ですが、主要である通勤路線や空港路線の需要が減少し大幅赤字となりました。

その他にホテル・レジャー施設・航空機整備・機内食提供などでも大幅な減収となっており、回復までには時間が掛かりそうです。

ただ、トラック運送に関してはかなり頑張っていたようなので今後に期待です。

近鉄グループホールディングス(近鉄)

約239億円の赤字(前年同期比:-362.7%)

日本最長の路線距離を持つ会社なだけあって、設備維持費がとんでもなく掛かります。

それに合わせて、伊勢志摩など観光需要が皆無となり、ホテル棟でも大きな影響を受けています。

また、近畿日本ツーリストなど比較的規模の大きな子会社を持っている事も大幅赤字になった理由と言えるでしょう。

新型車両の減価償却費も重荷となっており、かなり苦しい経営状況となっています。

南海電気鉄道(南海)

約25億円の赤字(前年同期比:-138.2%)

南海電鉄は関西空港と大阪都心を結ぶ路線が柱となっており、空港需要の激減から大幅赤字となりました。

その他にはリムジンバス・商業施設なども伸び悩みましたが、オフィス需要などは順調に推移しておりそれほど他社ほど大きな影響が出ていないのも現実です。

また、それほど手広く事業を拡大していない事も赤字額が限定された理由です。

ただ、今後予定されているなにわ筋線の開業に少し不安が残ります。

京阪ホールディングス(京阪)

約34億円の赤字(前年同期比:-139.2%)

京阪電車は京都の観光需要の低下が直撃し、大幅な赤字となりました。

その他にも、高速バス・ホテルなども苦戦が続いています。

ただ、マンション販売への影響はそれほどなく、順調に推移しているようです。

京都の観光が戻るまでにはさらに時間がかかりそうなので、影響が長引きそうです。

また、京阪のターミナルである中之島付近はオフィスも多く、定期需要の回復も時間が掛かりそうです。

阪急阪神ホールディングス(阪急・阪神)

約189億円の赤字(前年同期比:-188.3%)

京阪神を代表する私鉄グループで定期外を軸に需要が低下し赤字となりました。

その他にも、阪急交通社(旅行)、阪神タイガース、宝塚歌劇団、商業施設も大きな影響を受け、大幅赤字となっています。

鉄道を軸とした街づくりが得意な会社ですので、移動が敬遠されるこのご時世では大変厳しい状況が続くと考えられます。

西日本鉄道(西鉄)

約74億円の赤字(前年同期比:-454.4%)

九州最大手の西鉄は鉄道・バスが主軸でどちらも大きな影響を受けました。

その他にも、ホテル、国際物流が大打撃で唯一順調な不動産だけでは、どうにもならなかったようです。

手元の資金借り入れはしっかり出来ているようなので、当面は大丈夫ですが主力のバス事業の回復が大幅に遅れそうなためかなり危ないと言えるでしょう。

関西・東海・九州の大手鉄道会社は全て赤字となりました。

これまで順調だった企業がたった一つのウイルスの影響によりこれだけの赤字を出してしまうのですから驚きです。

7月以降も残念ながら客足は戻っていない見込みで、次の7月~9月でも赤字を出す企業がほとんどだと思います。

GoToトラベルキャンペーンは多くの批判を生んでいますが、鉄道会社がこれだけダメージを受けているのですから国としては何としても推し進めたいのも分かります。

まもなく、東京都もGoToトラベルキャンペーンの対象になるとの噂もあるので、少しでも回復の材料になればと思いました。

コロナウイルスの影響で関東の大手鉄道会社はどれだけの赤字を出したのか?<2020年4月~6月の実績>

2020.09.02

コメントを残す