なぜ新幹線の屋根は真っ黒に汚れているのか?

新幹線の屋根の上って見たことがありますか?

上から新幹線を見ることは、あまりないと思いますが、ニュースなどで上からの映像を見ると真っ黒なことがわかります。

これは、別に黒の塗装をしているわけではなく、単純に汚れで真っ黒になっています。

特に東海道・山陽新幹線の場合、車体が白なので、汚れがかなり目立っています。

どうして、こんなに汚れているのか不思議ですよね。

側面も同じように黒くなるのであれば、やっぱり高速走行をしていると、埃とか雨で汚れてしまうんだなと納得できるのですが、側面はそれほど汚れていません。

なんだっら、定期的に洗車をしているはずなので、ここまで汚れることはありません。

屋根なので、汚れが溜まりやすいというのは理解できますが、それでも、ちょっと汚れすぎなんじゃないかと思ってしまいます。

いくらお客さんから見えない場所といっても、多少は見えるのでもう少し、綺麗にしたほうがいいんじゃないかなと思うのですが、どうなんでしょうか?

ということで、今回はなぜ新幹線の屋根が真っ黒に汚れているのか調べてみました。

汚れの原因は摩耗粉

結論から言ってしまいますが、新幹線の屋根が真っ黒に汚れている原因は、摩耗粉と呼ばれる物にあります。

摩耗粉というのは、物同士が擦れて摩擦が起きた時に発生する粉のことで、新幹線の場合は、架線とパンタグラフが擦れて、摩耗粉が発生しています。

簡単にいうと、架線やパンタグラフの部品が摩擦で削られて、粉になったということです。

それが、屋根に溜まってしまい、ここまで汚れてしまいます。

最高時速300kmで走っていれば、相当な摩擦が発生すると思うので削られる量も半端ないんだと思います。

パンタグラフの方が摩耗しやすい

架線とパンタグラフでは、実はパンタグラフの方が摩耗しやすいように作られているそうです。

詳しい原理は分かりませんが、素材や構造を調整してパンタグラフ側が摩耗しやすいよう工夫されています。

理由は、取り替える大変さが全く違うからです。

新幹線のパンタグラフであれば、点検の際に整備工場で取り替えを行うだけですが、架線の場合、張り替えをしなければいけません。

摩耗するたびに張り替えていては、人手もお金もかかります。

よって、パンタグラフの方に負荷がかかるようになっているようです。

ただ、それでも架線も摩耗してしまいます。

その区間の制限速度やカーブ、走行本数などによって違うみたいですが、架線も定期的に張り替えを行なっているようです。

洗車で屋根の汚れは落とさないのか?

新幹線は定期的に洗車を行なっています。

その時に、屋根の汚れを落とせば、あそこまで汚れることは無いんじゃないの?って思ってしまいますよね。

実はその通りで、定期的に洗車をしていれば、あそこまで汚れることはないと思います。

しかし、新幹線に限らず電車の洗車は、側面しか行われません。

理由は、屋根にはパンタグラフや電気系統の設備がたくさんあるので洗いたくても洗えないそうです。

また、お客さんの目が届きにくい場所でもあるので、洗わなくても大丈夫という考え方もあるんだと思います。

よって、新幹線の屋根は一番汚れる場所なのに、洗車ができないのであそこまで黒くなってしまうのです。

たまに屋根まで綺麗な新幹線を見かけるのはなぜ?

たまに、屋根の方までピカピカな新幹線を見かけることがありますが、あれは何なんでしょうか?

これには、2種類の理由がありまして、

一つは、製造されたばかりの新車でまだ汚れていない新幹線だからです。

当たり前ですが、出来たばかりの新幹線は、屋根まで真っ白の状態で納品されているので、綺麗な新幹線を見ることができます。

もう一つは、全般検査で再塗装された新幹線です。

全般検査は、120万km以内または、36か月以内の間隔で行われるもので、分解して新幹線に異常が無いか検査していきます。

この時に、再塗装を行うことがほとんどで、この検査直後は、屋根の部分まで真っ白な新幹線に生まれ変わります。

ただ、こうして綺麗になった新幹線も1か月もしないうちに、真っ黒に汚れてしまうので、屋根まで綺麗な新幹線に乗れるのは、かなり珍しいかもしれませんね。

新幹線の通過時にパンタグラフから火花が出ているのはなぜ?

駅で新幹線が通過するところを見たことがある人なら知っているかもしれませんが、新幹線はパンタグラフから火花を出しながら走っています。

あれも、摩擦で火花が出ていると思っている人もいると思いますが、摩擦で発生している物ではありません。

あの火花は、スパークという現象で、架線とパンタグラフが一瞬、離れた時に空気中に電気を放電することで火花が発生しています。

空気中の水分が多ければ多いほど、スパークは発生しやすいので、雨の日なんかは、大丈夫か?と思うぐらい火花を出しながら走っています。

ちなみに青白い火花は大丈夫みたいですが、赤い火花の場合は少し危険なので、赤い火花を出しながら走っている新幹線を見かけたら、

駅員さんに報告すると、重大な事故を防げるかもしれません。

ただし、赤い火花だからと言って、必ずしも危険ということないと思うので、新幹線のダイヤを止めるまでする必要はないのかと思います。

専門家ではないので、あまり詳しい説明をできず、申し訳ないですが、知識の一つとして覚えておいても損はないかなと思います。

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