新聞というと、一昔前ではテレビに次ぐメディアであり、影響力もかなりのもので、購読者も多く存在しました。
それが今では、年間100万部ペースで契約数が減ってきており、10年後には全く存在しないのではとまで言われています。
しかし、今なおたくさんの販売店が存在するということは、まだ必要とされており、そこで働く人の生活を維持するためには、少なくとも今の水準の収益が必要です。
そのためには、解約された部数分の補填が必要で、いま新聞を取っていない人、または他社から新聞を取っている人に対して契約を結びつけるしかありません。
そこで、今回は売れない新聞を少しでも売れるようにする考え方や戦略を考えてみました。
①新聞のメリットを考える
新聞のデメリットはスグにでも思いつきますが、メリットはというと中々思いつきません。
これは、私だけに限らずほとんどの方がそうではないでしょうか。
そこで、販売員がメリットを伝えることで、その魅力に惹かれる可能性もあります。
[aside type=”normal”]新聞のメリット・決まった時間にニュースを読む習慣を付けられる。
・探しに行かなくてもニュースや広告を取得できる。
・光を出さないので、目が疲れない。
・配信者の都合で記事が消される事もなく、長期的な保存が容易。
・ネットでは掲載されない新聞社独自の意見(社説)などが閲覧できる。
[/aside]私が思いつくだけでもこれだけあります。
販売店の方であれば、もっと新聞に触れる機会が多いので細かなメリットまでわかるはずです。
そういった、メリットをお客様にしっかり伝えることができれば、新聞に興味のなかった人に刺さる事もあるでしょう。
②おまけを工夫する
現在、新聞販売において粗品を提供することは講読料(6ヶ月分)の8%まで認められています。
金額にすると、約2000円程度だと思います。
しかし、現実はそれ以上の粗品が提供されている事も多くあります。
であれば、とにかくお客様にとって喜ばれる粗品を提供することが重要です。
一番多いのは、商品券ですが、ありきたりで、面白くもありませんし、魅力に感じる人は少ないことでしょう。
そもそも、新聞を契約する人は、粗品を目当てではなく、新聞に魅力を感じたから契約するのです。
であれば、新聞をプレゼントするのが一番嬉しいに決まっています。
1ヶ月では、魅力が薄いので3ヶ月ぐらいが妥当ではないでしょうか。
1年契約のうち3ヶ月を料金回収なしで配り、それを毎年繰り返せば、新聞に魅力を感じていただけている間は、契約をもらえるはずです。
もちろん、値段的にみて、明らかに違法な気もしますが、現実で商品券1万円分が1年契約で配られていることも違法と考えると、まだ可愛い方です。
とにかく、相手の欲しがっているものを渡すことが重要です。
③販売店独自の情報を組み込む
販売店単位で、折り込み広告を入れる要領で、販売店単位で独自の情報を組み込みます。
例えば、日経新聞には、今日の株価予想や為替予想など、販売店の責任者が少し勉強すれば、スグにできます。
また、それが見事に当たるとなると、地元で有名になり、販売店自体の知名度も上がり、別のビジネスとして展開できる可能性だって秘めています。
その他には、地元の学校や自治体を取材した情報など、販売店にしかできないサービスを提供することで、コアなファンを増やすことができます。
それでも減っていく契約数
どんな、工夫をしてもネットニュースに勝てず、新聞契約数は減ってしまいます。
これは、仕方のないことで、音楽業界でいう、カセットテープがCDへ、そしてダウンロード・ストリーミング配信へ変わっていくのと全く同じことです。
ですので、販売店は事業をやめるか、別の事業を展開するしか方法はありません。
販売店の強みは、地域に密着していることです。
例えば、「あの家はお年寄りの一人暮らしだ」や「あそこは、育ち盛りの子供が二人いる」など集金や配送を行っているからこそ、わかる情報があります。
そういった情報を総合的に活用すると、スーパー事業やコンビニ事業を立ち上げた時、在庫をできる限り増やさない経営が可能です。
また、店舗選びにも、情報が活用でき、他社が高い金を出して調べるよりも圧倒的に早く、正確な情報が無料で手に入り、早期の開店ができるはずです。
そういった、強みを生かし、別の事業を展開することはリスクも伴いますが、成功する可能性もあります。
さらに、元々のお客様には人脈もあり、ご贔屓にしてもらえる可能性だってあります。
今後、ますます新聞販売店が厳しくなっていく中、路頭に迷う人を少しでも減らすため、今のうちに対策をしていただければと思います。