かつてはシャッター商店街、どん底からはい上がった熱海の魅力とは?

最近テレビや雑誌を見ていて、何だか盛り上がりを見せていると感じるのが「熱海」です。

熱海といえば、かつては新婚旅行のメッカ。

多くの人が憩いを求めて訪れていました。

バブルが崩壊したあとは、温泉といえば熱海という図式が崩れ、観光客は訪れなくなり閑古鳥が鳴く街へ。

そんな熱海が最近V字回復したと話題です。

ウワサは本当なのか、現地を訪れてみました。

 

熱海といえば恋人の聖地

大正時代から昭和の初めにかけて、新婚旅行のメッカといえば熱海が選ばれていました。

当時は鉄道もあまり普及しておらず、地方や東京に住んでいる方が熱海に来れるのは、一種のステイタスと認識されていたようです。

温泉アリ、海アリ、豊富なグルメもアリの熱海。

おじいちゃんおばあちゃん世代の方にとっての熱海は、まさにロマンスの聖地だったようです。

 

2000年初めは、ゴースト商店街に

そんな熱海が浮かれ気分で過ごせるのは束の間。

1990年代の終わりから2000年頭にかけて、熱海の大型ホテルが潰れてしまうなど…暗いニュースがただよい始めます。

大型ホテルに宿泊する人が激減した影響から、駅前の商店街は客足がとだえ、シャッターを下ろさざるを得ない状況に。

土日でも扉を開けない、いわゆるシャッター商店街になりさがってしまったのです。

ディズニーランドやUSJ・京都や鎌倉などの勢いに押され、熱海は「昔の街」に成り下がっていきます。

 

古い+新しいがサク、V字回復の街に

どん底に落ちた熱海が、見事逆転ホームランを放ったのは最近のこと。

熱海の駅前に降り立ってみると、閑古鳥が鳴くどころか、あたりは人・人・人。

平日の昼間であるにも関わらず、多くの方が歩いているのが分かります。

熱海といえば古くて汚いというマイナーな印象があったものの、JRが再開発した駅ビルは、女性を意識した広くてキレイな建物。

熱海の老舗カフェや獲れたて魚介が入ったどんぶりが食べられるレストランもあり、駅前ですべてを用足せる雰囲気がつくられています。

熱海ではUターンを自治体自ら推し進めていて「かつて熱海にいた人」が戻ってきています。

そのため商店街を歩いてみると、20代や30代などが切り盛りする若手オーナーの姿が多いことを感じます。

古い喫茶店をそのまま買いとり、建物の雰囲気は残したまま内装のみ替える「リノベーション店舗」もあちらこちらに見えます。

古い雰囲気の良さだけくり抜いてあるため、初めて訪れるのに心地よい…不思議な錯覚を覚えます。

熱海がV字回復に成功した理由も、ただ単に古いものを切り捨てるのではなく、そこに新しい息吹をプラスする姿勢が評価されているのではないでしょうか。

 

熱海ブームを支える、パワースポット女子

熱海がV字回復を遂げた背景には、パワースポットが大好きな女性もひと役かっているようです。

熱海には來宮神社と呼ばれる、有名な神社があります。

ご近所さんにもありそうな何てことない神社なのですが、ありとあらゆるところに女性想いの仕掛けをしてあります。

境内には「SNS専用の台」が設置してあり、スマホやiPadなどを立てかけられる台が置いてあります。

神社で写真撮影はしても大丈夫なのか…?と不安になるものですが、神社側からのこうした心配りは、暗黙の「写真OKサイン」。

訪れた女性たちは、気兼ねなく境内でパシャパシャ自撮りが楽しめます。

境内の隅には、神社が運営している神社カフェがあります。

熱海駅から疲れた脚を温めることができ、なかなかの心配り。

美味しいケーキと珈琲に旅の思い出話に花が咲きます。

境内では「旅のお守り」も購入できます。

スマホに付けられるミニサイズもあり、どれもデザイン性に凝った可愛らしい印象。

買う気がなくても、思わず手にとって購入してしまう、そんな魔法が秘められています。

パワースポットを訪れるために、訪れる観光地を選ぶ女性も増えているのだとか。

SNS好きの女性のハートを見事につかんだ良いパワースポットが眠っていることも、熱海が人気の秘訣なのかもしれません。