自力救済という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
これは、法律で禁止された行為ですが、知らない人も多く、意識せずに犯罪者になっているケースが多くあります。
この記事は、そう言った意識しない犯罪を減らす為にわかりやすく、自力救済について解説をしていきます。
自力救済にあたる行為とは
例えば、あなたが友人にお金を貸していたとします。
しかし、期日を過ぎても返してもらえず、催促にも応じようとしません。
そんな、ある時友人が財布を置いてトイレに行ったとします。
あなたは、財布の中から貸した分だけのお金を抜き取りました。
この時点で自力救済にあたり、法律違反であなたは窃盗罪として逮捕される可能性が極めて高くなります。
このように、自らを救済する行為を自力救済と言います。
もう一つ例を挙げると、あなたの自転車が盗まれてしまいました。
しかし、数日後、河原で自転車を発見し、引き上げてみるとあなたの自転車で、防犯登録番号も間違いなく一致しました。
そして、これを家に持ち帰った時点で自力救済行為にあたり、窃盗罪または、占有離脱物横領罪で逮捕される可能性が極めて高くなります。
非常に理不尽ではありますが、現行法ではこのようになっていますので、自分の自転車を見つけた場合も警察に通報し、拾得物として処理した後に遺失物として返却される流れとなります。
なぜ、禁止されているのか?
どうして、自力救済が禁止されているかというと、無駄な争いを避けるためです。
どんな物で、所有者と占有者がいます。
例えば、レンタルDVDを借りた時点でDVDの所有者はお店にありますが、占有者はあなたにあります。
この時点で、DVD店が無理やりあなたからDVDを奪い取ろうとするとあなたは、どう思うでしょうか。
たとえ、延滞していたとしてもあなたの家にあるものを、DVD店が勝手に持ち出そうとすると怒るはずです。
また、返したや返してないの水掛け論が生まれ、新たなトラブルが生まれることも予想できます。
だから、第三者である警察や裁判所を通して、トラブルを解決しようというのが自力救済禁止という法律のある意味なのです。
正当防衛はいいの?
自力救済と似た法律で、正当防衛という法律もあります。
これは、自分に危害が加わろうとした時に第二者に対して何をしてもいいという法律です。
例えで言うと、相手が銃でこちらを狙っている状況で、銃を奪い取り暴力を振るったとします。
これは、正当防衛と認められるケースが多く、例え殴りどころが悪く、死んだとしても捕まる可能性は少ないです。
先ほど、自分で自分を救済することを禁止する法律が自力救済禁止だと説明しましたが、これも自らを救済している行為に見て取れます。
しかし、日本の法律では、自分に対して危害が加わろうとした時に関しては防衛を認めているのです。
そして、危害が加わった後に関しての復讐や解決については認めていないということです。
ただし、あまりに過剰な防衛は過剰防衛として、捕まる場合があります。
先ほどのケースでいうと、銃を奪い取って銃で相手を撃ったとなると、過剰防衛と判断される可能性が一気に高くなります。
トラブル解決は弁護士へ
とにかく、トラブルに遭ってしまった場合は自分での救済は禁止されているので弁護士にお願いすることが一番簡単です。
しかし、お金が必要ということで中々、難しいという場合は本人訴訟で裁判所を通して解決することができます。
ただ、本人訴訟の場合は自分で資料を作り、自分で弁護をする形になりますので、絶対に勝てる案件以外は手を出さないのが堅実です。
トラブルに巻き込まれないことが一番ではありますが、巻き込まれた場合は専門家にお任せすることをお勧めします。