リニア中央新幹線は本当に開業できるのか?静岡問題をどう解決する?

2027年に品川〜名古屋間、2037年に名古屋〜新大阪間と段階的に開業を予定しているリニア中央新幹線ですが、いま大きな問題を抱えています。

それが、静岡問題です。

現在の計画では静岡県の大井川を通過するルートとなっているのですが、この工事を行うことで大井川の水量が減ってしまうのではという懸念があります。

静岡県としては、この問題が解決するまで静岡県の工事を認めないということで、実質、工事が止まっている状況です。

このような状況で本当に2027年の開業は達成できるのでしょうか。

今回はリニア中央新幹線が今後どのようになっていくのか予想してみました。

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静岡県にメリットがなさすぎる

まず、どうしてこのような問題になっているのかというと、リニア中央新幹線の開業は静岡県に全くメリットがないからです。

JR東海としては、今後発生が予想される東海地震によって東海道新幹線が長期間不通になることから、その迂回ルートとしてリニア中央新幹線の建設を急いでいます。

その考え自体は間違っていないのですが、ルートを決める際に問題がありました。

それが、静岡県を通過するのに、静岡には停車駅を設けないことです。

他の通過する都府県には停車駅を設置するとしているにもかかわらず、静岡県だけは通過するのに駅が設置されません。

その理由は、通過すると言ってもほんの一部だけで駅を設置するような場所を通過しないからです。

ただ、これでは静岡県にとってメリットはありません。

さらにいうと、冒頭でも説明したように大井川の水量が減る可能性すらあり、生活用水、工業用水が足りなくなる可能性もあるのです。

このような、全くメリットのないような条件を誰が喜んで受けると思いますか?

これが、リニア中央新幹線が静岡に全くメリットがない理由です。

東海道新幹線が便利になるというメリットもある

先ほど、リニア中央新幹線の開業は静岡に全くメリットがないと言いましたが、JR東海としては静岡にもメリットがあると言っています。

それは、東海道新幹線のダイヤが「ひかり」「こだま」中心のダイヤになることです。

これまで、東海道新幹線は「のぞみ」が8割以上占めていたのですが、リニア中央新幹線が開業すると「のぞみ」の役割がリニアに変わるとされています。

ということは、「ひかり」「こだま」の本数が増え、これまで「のぞみ」が全通過の静岡県にとっては、利便性が向上すると言えます。

しかし、これは本当にメリットなのでしょうか。

確かに、新幹線の数が増えるのは便利になります。

ただ、本当にJR東海が口約束を守ってくれるかというと、それは分かりません。

JR東海としては「のぞみ」を減らした分、リニア中央新幹線にお客さんが流れるので、そちらに力を入れ、東海道新幹線の規模を小さくする可能性もあります。

これまでだって、6駅もある静岡県の駅を「のぞみ」は止まることなく通過させてきたので、JR東海と静岡県の仲は良くないことが想像できるでしょう。

つまり、リニア中央新幹線が開業したとしても、「ひかり」「こだま」が増えることはなく、「のぞみ」の数だけが減り、静岡県にとっては、何も変わらないのかと思っています。

おそらく、静岡県もこのことは予想しているので、余計に反対しているのでしょう。

実際はどうなるか分かりませんが、JR東海だって民間企業ですので、稼げないところに無駄に経費を落とすわけがありません。

きっと、その頃がくれば、経営状況や人口状況により増やすことができないとなるのではないでしょうか。

大井川の工事はできるのか?

本題である、大井川の工事ですが、おそらく静岡県が国に説得される形で実行されるのかと予想しています。

もちろん、生活用水、工業用水を確保した上で工事が進められると思うのですが、実態はほぼ強行工事になるのかと考えています。

話し合いで解決できれば、1番の理想なのですが現時点での報道を見る限り、両者ともに譲らずと言った感じです。

だったら、ルート変更も検討するべきと言いたいところですが、予算の関係からして、ほぼ不可能に近いと思われます。

よって、国がなんとか静岡県を説得し、工事を進めるということになるかと思います。

遅れる可能性も十分にある

最終的には大井川にトンネルを掘る工事を進めていくと思うのですが、そう簡単に結論が出そうにありませんので、おそらく開業は遅れると思います。

私の勝手な予想ですが、おそらく2030年以降にずれると考えています。

もちろん、大阪延伸に関しても、2040年以降になるかと思います。

そうなると東海地震の迂回ルートになるのか少し不安です。

というのも、東海地震は今後30年以内に88%の可能性で発生すると言われています。

ということは、2040年まで遅れた場合、高確率で開業よりも先に地震が来ます。

つまり、迂回ルートとして全くもって役立たないということです。

さらに、富士山噴火などリニア中央新幹線にも懸念材料があり、連動して自然災害が発生した時、本当に迂回になるのかも疑問が残ります。

一応、JR東海の回答では噴火による運行の支障はないと言っておりますが、本当なのか怪しいと思います。

東海道新幹線の迂回ルートは北陸新幹線でいい

個人的には、東海道新幹線の迂回ルートは北陸新幹線で十分だと考えています。

2024年には金沢〜敦賀間が延伸され、その後は大阪までの延伸も検討されています。

もし、東海道新幹線が使えなくなるほどの大災害が起きた場合、東京〜大阪間を移動する人はそれほど多くないと思われるため、北陸新幹線+在来線で十分に対応できるのではと考えています。

だったら、リニア中央新幹線を頑張るよりも北陸新幹線延伸を頑張った方がいいのかと思います。

ただ、北陸新幹線はJR東日本と西日本が運行しており、JR東海は全く関係ありません。

つまり、東海道が壊滅状況となった時、JR東海は生き残れない可能性があるのです。

さらに、東海道新幹線の老朽化も目立ってきており、それも解決したいと思っていることでしょう。

よって、リニア中央新幹線は間違いなく開業することになると思いますが、今後も問題がまだまだ出てくるのかと思います。

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