品川駅に東海道新幹線が停車する理由とは?

いきなりですが、東海道新幹線の東京駅と品川駅って近すぎだと思いません。

いやいや、東北新幹線の上野駅の方がもっと近いだろと思った人もいるでしょうが、まさにそのとおりです。

東京駅と品川駅は6.8km離れているのに対して、東京駅と上野駅はたった3.6kmしか離れていません。

でも、上野駅が東京駅とそれほど離れていないのに存在するのは、ちゃんと理由があるんですよね。

意外と知らない人も多いと思うんですけど、

もともと、東北新幹線の起点駅は大宮駅で、新幹線開業の3年後に大宮、上野駅間が延伸され、東京駅への延伸は、さらにそこから6年かかり、平成に入るまで実現しなかったんですよ。

上野、大宮間の開業が遅れてしまった理由は、騒音問題や地盤沈下が懸念されて、沿線住民の反対運動が起こり、住民理解に時間がかかってしまったことと、

それに伴って、費用が膨らみ過ぎてしまったことが原因と言われています。

この頃は、JR東日本ではなく、国鉄時代だったので経営状況も良くなく、お金を使って解決するということも難しかったんだと思います。

上野駅から東京駅の開業が遅れた理由については、シンプルに用地買収に時間がかかってしまったみたいです。

すでに、複数の路線が並走している区間に、新たな新幹線規格の線路を作るんですから、素人目にも大変そうなのがわかりますよね。

だから、東京駅と上野駅が近い理由には納得がいくんですけど、品川駅はちょっと違います。

品川駅ができたのは平成に入ってから

東海道新幹線が開業した1964年の時点では、品川駅に新幹線の駅はなく、

東京駅の次は新横浜駅でした。

そこから、39年たった、2003年に、新幹線の品川駅が新しく出来たのですが、

すでに東海道新幹線は、日本一のドル箱路線で、品川駅がなくても、多くの利用者がいたのに「わざわざ、作る必要あったの?」って思いませんか?

でも、これには、JR東海がどうしても、品川駅を作りたかった理由があったんです。

品川駅をつくった理由とは?

JR東海が品川駅をつくった理由、それは東海道新幹線の増発です。

東海道新幹線はビジネス需要が拡大し、もっと列車本数を増やさないと回らない状況まで来ていたんですね。

そこで、考えられたのが品川駅を終点、始発とする新幹線の設定です。

東京駅と品川駅の間には車両基地があり、この区間は通常の営業列車に加え、車両基地と東京駅間を回送列車が走っていたので、

これ以上、増発したくても出来ない状況でした。

いわゆる、キャパオーバーってやつです!

なので、品川駅で折り返す新幹線を設定して、回送列車に関係なく、増発させようと計画されたのです。

ただ、あれから18年以上の年月が経ちましたが、品川始発の新幹線は、朝6時の1本しか設定されておらず、品川駅で折り返す新幹線は1本も設定されていません。

なぜ、品川駅折り返しの列車は設定されなかったのか?

せっかく巨額の費用を使って作ったのにどうして使わないの?

もしかして東海道新幹線の需要が減った?なんて思うかもしれませんが、東海道新幹線の需要はむしろ増えています。

では、どうしてなのかというと、、分散乗車によって、東京駅の混雑が予想よりも増えなかったからです。

これまで、東京駅で全てのお客さんを乗せて、出発していましたが、品川駅が出来てからは、東京駅と品川駅の2つの駅で分散乗車ができるようになりました。

これにより、東京駅での乗降時間と清掃時間が短縮され、折り返しにかかる時間がかなり短くすることで成功!

なので、品川駅で折り返す必要がなくなり、これまで通り、全てに列車を東京駅で折り返すこととなったのです。

お客さんからしても、その方が便利ですし、JR東海としても案内を1本化できるので、できれば全列車が東京折り返しが良かったのだと思います。

あと、もう一つ理由をあげるとすれば、車両側の性能向上で、

東海道新幹線の本数を増やせたということもあります。

どういうことかというと、古い新幹線を引退させて、高性能なN700A系新幹線と、N700S系新幹線に置き換えることで、

全列車が東京駅で折り返しても運行本数を増やせるようにしました。

2020年に始まった「のぞみ12本ダイヤ」がまさしくそれですね。

のぞみ12本ダイヤにより、1時間当たりの運行本数は、のぞみ12本、ひかり2本、こだま3本の合計17本が東京駅を発着できるようになりました。

これに合わせて、回送電車も発着できるみたいなので、首都圏のラッシュ時よりも緻密なダイヤですね

さすが、日本を代表する高速鉄道!

ただ、「のぞみ12本ダイヤ」は始まる以前からも、日々改善を重ねて、新幹線を1本でも多く走らせる取り組みは行われていました。

こう言った、様々な方面からの努力により、当初の計画であった品川駅での折り返しを行わずに済んだということです。

もし、品川駅で折り返し運転がされていたら、東京行きの新幹線に乗客が集中しすぎるということも考えられ、

それを回避するために、東京行きの新幹線は品川駅に停車しないなんて、ダイヤになっていたかもしれません。

乗り間違えたとしても、すぐ引き返せるので、不便ってほどでもないですが、地味に面倒ですよね。

今後も品川駅を折り返す列車誕生しないのか?

今後も品川駅で折り返す新幹線が出来ないかというと、それは分かりません。

可能性は限りなく低いですが、東海道新幹線の需要が増えれば、品川駅で折り返す電車が設定されるなんてこともあるでしょう。

他にも、リニア中央新幹線が開業したあとは、東海道新幹線のダイヤが大きく変わると思うので、そのタイミングなら、大変革がある可能性も否定できません。

いずれにしても、遠い将来のことはわかりませんが、いまいま、品川駅折り返しの新幹線が爆誕、なんてことはないでしょう。

以上、まとめると、

東海道新幹線の品川駅は、需要の拡大に対応するために作られた

品川駅で折り返す新幹線が設定される予定だった

分散乗車と車両性能アップで品川折り返しは未実現のまま

今後、品川駅で折り返す新幹線が爆誕するかは、わからない

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