リニア中央新幹線は本当に必要?どうしてもJR東海が作りたい理由とは?

静岡問題や工事費増加問題など様々な問題を抱えているリニア中央新幹線ですが、現時点では2027年に品川から名古屋間を開通、2037年には大阪まで全線開通を予定しています。

しかし、今の状況をみる限り、素人目にも予定通りは難しそうで、少なくとも2030年以降になるのかと考えています。

とはいっても、完全な素人の適当な予想なので、実際は2027年に開業できる可能性も十分にあります。

ただ、ここまで大変な思いをしてJR東海がなぜリニアを作ろうとしているの疑問です。

2007年に全額JR東海の自腹で建設されることが発表された時は多くの人が驚いたと思います。

確かに、東海道新幹線の開業から50年近くが経過しているので、老朽化の問題があります。

また、東海道新幹線は、海に近いエリアを走っているので、東海地震・南海トラフ地震による津波で全線が不通になり、東海道の大動脈が寸断されるというものもわかります。

しかし、それだったら、リニアモーターカーにこだわる必要もないと思います。

中央線沿線に現在の新幹線方式で中央新幹線を開業すれば、もっと早く、もっと安く完成させる事ができます。

その分、スピードは落ちますが、老朽化・地震対策による作り直しが目的であれば、スピードが落ちたところで関係ありません。

このように、JR東海が全額自腹を出してまで、リニア中央新幹線を開業したい理由が不透明です。

ということで、なぜ、JR東海がリニア中央新幹線を作りたいのか考えてみました。

理由1 リニアに投資した金額を回収したい

JR東海は、会社発足当時からリニアモーターカーに積極的で、様々な投資を行ってきました。

具体的な金額まではわかりませんが、相当な金額をかけていることから、これを回収したいと考えているはずです。

しかし、回収するには、リニア中央新幹線を建設し、日本で成功例を作り、海外に輸出するしかありません。

ということで、日本でなんとしてでもリニア中央新幹線を開業させたいと考えているのだと思います。

ただ、現在の世界市場はリニアモーターカーよりもハイパーループに注目しています。

たとえ、リニア中央新幹線が成功したとしても、それを輸入する国はいないと思います。

それだったら、これまでの新幹線方式で良いんじゃない?と思うかも知れませんが、もう、後に引けない段階まで来ているのだと思います。

流石に、ここまで来て損切りをする勇気はないと思うので、このまま続行されると思いますが、新型コロナウイルスがもう少し早く来ていれば、違った未来があった可能性もあります。

理由2 東海道の大動脈を独占したい

現在、東海道の移動のうち70%近くを東海道新幹線がカバーしています。

飛行機や高速バスに取られている30%をJR東海が獲得できれば更なる収益増になります。

しかし、現在の東海道新幹線ではどうしてもそれは難しいのだと思います。

そこで、もっと速く移動ができるリニア中央新幹線を使ってシェアの拡大を狙っています。

たとえ、リニア単体では赤字であっても、東海道新幹線と合わせて、シェアを拡大できれば、いずれは、大きな黒字に繋がります。

実際にシェアが拡大するかは、わかりませんが、東京から大阪まで70分で移動できるのであれば、飛行機のシェアはほぼ全て獲得できそうな気がします。

理由3 従来の新幹線方式では他社が参入するかもしれないので阻止したい

JR東海の営業エリアは、中部地方であり、それ以外のエリアはJR東日本、JR西日本のエリアです。

国が主導の中央新幹線を建設するとなると、これら2社も参入したいと言ってくるかも知れません。

実際に北陸新幹線はJR東日本とJR西日本の2社が運営を行なっているので同じようになる可能性は高いと思います。

そうなると、JR東海としては利益が3分割されてしまい、これまでのような利益は見込めません。

実際は、JR東海エリアが大半なので、50%ぐらいので配分はもらえると思いますが、それでも今までの半分になってしまいます。

東海道新幹線があるうちは、東海道新幹線で稼げるので、それでも良いかも知れませんが、東海道新幹線が運営できなくなると、本当にJR東海の利益は半分になってしまいます。

それを回避するためにも、他社が嫌がっているリニアを開業し、他社の参入余地を無くしたいんだと思います。

コロナ以前は、安定的に3000億円以上の利益があったので、このまま東海道を独占すると50年後には、単純計算で15兆円の利益になります。

ただ、実際は徐々に右肩上がりで成長している状況だったので、最終的には50年で20兆円を超えると思います。

それに対して、中央新幹線を3社で運営し、東海道新幹線が営業できなくなった場合は、半額の7兆5000億円にしかなりません。

当初の計画ではリニア中央新幹線を10兆円ほどでしたので、20兆円から10兆円をマイナスしたとしても、リニア中央新幹線を作った方が良いという判断になります。

もちろん、これはあくまでも計算上の話であって、実際は計算通りになんかいきません。

実際にコロナでかなり狂っていると思うので、もし本当にこのような計画だったとしても、もう破綻していると思います。

理由4 鉄道の未来を発展させたい

JR東海は、どのJRよりも鉄道が大好きで、鉄道の発展を目指していると思います。

その証拠に、東海道新幹線では常に最新技術を取り入れていますし、リニア中央新幹線の開発にも積極的に投資してきました。

なので、JR東海は純粋に鉄道を発展させて、もっと人に喜ばれる社会を目指しているのかも知れません。

今は、色々な問題がありすぎて、批判されることもありますが、リニア中央新幹線が開通すれば、間違いなく国内の移動は容易になり、ビジネスも進めやすくなります。

鉄道を使って日本を発展させたい、そう思っているからこそ、リスクを承知の上で、挑戦しているのかも知れません。

実際にどのような思いで、リニア中央新幹線を建設しているのか、

本性はわかりませんが、僕個人としては、リニア中央新幹線を楽しみにしています。

ただ、JR東海の未来を考えると、今からでも従来の新幹線方式にして

少しでも費用を抑えたほうがいいのかと思います。

従来の新幹線方式であれば、ルート変更もしやすいと思うので、その方が静岡県のためにもなるのかと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です