東海道新幹線の車両のデザインと聞いてどんな色を思い出しますか?
多くの人は、白の車体に青のラインが入ったデザインを思い浮かべたと思います。
東海道新幹線は、創業時に登場した0系新幹線から最新鋭のN700S系新幹線まで、全ての車両で白の車体に青のラインが入ったデザインを採用しています。
でも、500系新幹線や700系レールスターは、グレーっぽい車体の色だったのでは?と思う方もいるかもしれませんが、あれは、JR東海の車両ではなく、JR西日本の車両が東海道新幹線の区間内も走っていただけなので厳密には東海道新幹線の車両ではありません。
国鉄時代のデザインを今でも受け継ぎ、これから誕生する車両も全て、白の車体に青のラインがデザインされると思うのですが、どうして、白と青のデザインなのでしょうか?
JR東日本の車両は、緑や赤といったように様々な色があり、今風なおしゃれなデザインで、民営化以降は車両のデザインにも遊びが見られます。
JR西日本やJR九州に関しても、車両のベースこそはJR東海の開発した新幹線が多いのですが、それでも、車体のデザインや車内のデザインに遊び心があります。
ということで、今回は、なぜ東海道新幹線は白と青のデザインになったのか、また、どうしてJR東海はデザインを変えないのかについて解説していきたいと思います。
タバコのハイライトの色が参考にされた
東海道新幹線の車体の色が白と青になった理由は、タバコの銘柄「ハイライト」の箱が
白と青でデザインされていたからだそうです。
デザインを決める会議の場で、ハイライトを見つめていた人が「これでいくのはどうだろうか?」と
持ち出したところ、全員賛成で決まったようです。
これは、東海道新幹線電車技術発達史という物に記録されているようで、おそらく本当にこのように決まったのだと思います。
多分ですが、どんなデザインで行こうか、煮詰まっていた時に、
そのような提案があったので、誰も反対することなく決まったのだと思います。
東京オリンピックまでに開業しなければいけないということで、
他にも決めることが山ほどあり、デザインなんて正直、どうでもよかったのかもしれません。
もし、ハイライトの色が赤だったら、白に赤いラインの入ったJR九州みたいなカラーになっていたと思うとちょっと面白いですよね。
当時、ハイライトは世界一売れているタバコだったそうなので、
同じ色にすれば、親しみを持たれやすいという意味もあったのかもしれませんが、
それにしても、結構適当に決められていたことに驚きです。
どうして今も同じデザインなのか?
JRになってから、JR東日本の新幹線は、国鉄時代の緑色のラインから、少しずつデザインを変え、今では派手で目立つ、E5系やE6系が活躍しています。
JR東海も同じようにデザインを変えれば、その都度、話題にもなり、子供人気を集められる可能性があるというのに、今でも国鉄時代の色を守り抜いています。
これにはどんな意味があるのでしょうか?
おそらくですが、ビジネス需要が大半の東海道新幹線ということで、下手に変えるよりも、変わらない安心感の方が大事だと考えているのかと思います。
特に新幹線をよく利用する中高年以降は、変化を恐れる人もいます。
それだったら、形は変えても、色だけは変えないでおこうと考えているのかもしれません。
あと、単純にデザイン費用を削減したいという思いもあると思います。
JR東海は、どのJRよりも安定した収益を稼げているので、別に何もしなくても問題ありません。
変えても、変えなくても変わらないのであれば、変える必要がないという考えもあると思います。
色のデザインにお金を使うぐらいなら、少しでも空気抵抗を減らして速度アップができるような車体デザインにお金を使った方がいいと思っているでしょう。
本心はわかりませんが、鉄道技術にお金を使いたいと考えているのは間違っていないと思います。
今後も変わらないのか?
これまで全く色が変わらなかった東海道新幹線の車体ですが、今後も変わらないのでしょうか?
おそらくですが、今後も変わることはないと思います。
理由は、リニア中央新幹線も東海道新幹線と同じカラーでいくからです。
普通、新しい路線が誕生するとなると、それに合わせたデザインを考えると思います。
しかし、JR東海は東海道新幹線と全く同じカラーでいくことを決めているようです。
とにかく、デザインにお金を使いたくないのか、統一感を出したいのか、どちらかわかりませんが、これがJR東海のポリシーのようです。
在来線についても、どことなく同じようなデザインの車両が多いので、相当のことがない限り、変わることはないと思います。
変わるとすれば、アフターコロナ時代にあまりにもお客さんが戻らず、子供人気を獲得するしか、挽回する方法がないと言うときだと思います。
たぶん、そんな未来は来ないと思うので、ずっと、白の車体に青のラインが続いていくだろうと予想しています。