なぜ新幹線は台湾以外に輸出できないのか?

海外で新幹線が走っている国といえばどこを思い浮かべますか?

多くの人が「台湾新幹線」を思い浮かべたのではないでしょうか。

僕も真っ先に出てきたのが台湾で、でも、それ以外にあるのかなと思って調べてみましたが、台湾以外には輸出の実績がありませんでした

日本が誇る最高の高速鉄道技術にも関わらず、どうして輸出している国が台湾しかないのでしょうか?

普通、素晴らしい技術であれば、どこの国も輸入したいと考えるはずです。

その証拠に、日本の自動車は世界各地に輸出しており、どこに行っても日本車を見ることができます。

別に、日本車が安いのかと言うと、そんなことはなく、なんだったら、高い部類に入ります。

また、本体代に加えてさらに関税まで取られるので、日本車は高級車と言われている国もあります。

それでも売れるのはやはり、日本メーカーの開発する車の性能が良いからで、良いものは高くても売れると言う証拠です。

しかし、新幹線はと言うと、台湾にしか売れていません。

と言うより、台湾にすら全てを売っているわけではなく、信号システムや車両だけを売っており、他は欧州から輸入しています。

なので、完全な新幹線を輸出できている国はないと言うことです。

どうして、日本が世界に誇る技術にも関わらず、どこも買ってくれないのでしょうか?

今回は、新幹線が海外に輸出できていない理由を解説していきます。

理由1 国際基準ではない

日本の新幹線は正確で安全な運行を前提としたシステムが組まれています。

そのため、日本独自の仕組みが詰まっており、国際的に見ればかなり特殊なシステムをしています。

この特殊さが日本の鉄道が世界一正確な理由なのですが、海外で売れない最大の理由にもなっています。

もう少し具体的に言うと、日本の新幹線は保守すべき部分が多く、それを出来るのは日本人の勤勉な正確だから成り立っていると言うことです。

これを海外にいる、海外の現地スタッフにしてもらおうと思うと、到底真似できず、保守に対してコストをかけすぎと言う意見が出てしまいます。

もう少し、簡単に保守が出来るよう、国際基準に合わせてカスタマイズすれば良いのですが、そうすると新幹線ではなくなってしまいます。

理由2 コストが高すぎる

輸出がうまくいかない二つ目の理由はコストが高すぎることです。

日本の安全基準、品質を保とうと思うとそれだけコストがかかります。

また、先ほども言いましたが保守にもコストがかかるので、ランニングコストもこれまで以上に必要になってきます。

日本のように正確さを求める人が集まる国であれば、それだけのコストをかけることに意味があるかもしれませんが、世界の人たちは、それほど時間に正確である必要がないと思っています。

なので、高いコストを払ってまで、高機能を求めていないと言うことです。

こちらも、努力次第では、もう少しコストを下げることができますが、コストを下げると言うことは、新幹線ではなくなると言うことを意味します。

だったら、新幹線じゃなくても、もっと安い欧州や中国の高速鉄道を輸入すれば良いと言う風になってしまうのです。

理由3 利益が出にくい

政府もJRも車両メーカーも輸出を進めたいと言う思いは同じですが、ただ参加しても利益があまり出ないなぁと考えている企業がいるのも事実です。

と言うのも、新幹線を輸出しようと思うと、現地への人材派遣やシステムの設計、現地人材の人材の教育など、莫大な初期投資がかかります。

それに対して、しっかり回収出来るのであれば問題ありませんが、新幹線を輸入したいと考える国は、発展途上国でそれほどお金に余裕があるわけではありません。

そのため、かなり利益を出しにくい状況です。

政府もJRも車両メーカーもやりたい反面、利益を考えると優先順位が低いのかと思います。

理由4 需要がそもそもない

これまでの理由と重なる部分もありますが、世界は鉄道にそれほど正確性を求めていません。

また安全性についても、ある程度は求めていると思いますが日本の新幹線ほど安全である必要はないと考えているのだと思います。

ということで、新幹線は世界から見れば高スペックすぎて需要がないと言うことになります。

台湾も日本から輸入をしなくなる

新幹線を唯一、輸出できている台湾ですが、台湾新幹線の車両を新しくする計画があり、日本のメーカーと交渉していたようですが値段が高すぎと言うことで日本から輸入しないことになったようです。

と言うのも日本のN700系をベースにして製造されるにも関わらず、台湾用にするだけで、日本の販売価格よりも倍近くになるようです。

これだったら、流石の台湾も買うわけがないですよね。

いくら、カスタマイズが必要とは言え、倍はあり得ないと思います。

利益を取ろうとふっかけたのか、本当にこれぐらいのコストがかかるのかは、わかりませんが、もう少し安くなる方法はあったんじゃないかと思います。

おそらく、このような状態では今後も日本の新幹線を輸出できないだろうと思いました。

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