お酒を飲まない人でも安心できない脂肪肝とは?

脂肪肝とは、肝臓に中性脂肪が蓄積される症状のことです。

とはいえ、深刻な病気ではなく、比較的軽い症状として認識されてきた歴史があります。

しかし、近年では深刻な病に関わるという認識に変わってきており、健康のためにも予防や改善を気にしたい症状です。

 

どんな人がかかる病気なの?

一般的に、脂肪肝になりやすいタイプというのは、日頃から飲酒の習慣がある人です。

お酒をたくさん飲むと、肝臓でアルコールを分解する際に中性脂肪が作られやすいのが関係します。

そのため、全くお酒を飲まない立場の人からすると、脂肪肝はあまり関係ない症状だと思われがちですが、最近ではお酒を飲まなくても脂肪肝に注意すべきという研究報告が出てきています。

 

どうしてお酒を飲まなくても注意すべきなのか?

お酒を飲まない人でも脂肪肝になりやすい原因として、日常生活が深く関わっています。

日頃から食べ過ぎる人は要注意です。

人は食事からカロリーを摂取しますが、体の消費カロリーを大きく超えるカロリーを摂取しすぎると、余ったカロリーが中性脂肪として蓄積されます。

これが肝臓に蓄積することで、脂肪肝を作り上げてしまいます。

肥満体型の人も食べ過ぎが原因でその体型が作られているため、脂肪肝になりやすいと考えることができます。

運動不足も脂肪肝の原因になります。

体をあまり動かさなければ体のエネルギー消費が低下し、摂取したカロリーのブドウ糖や脂肪酸が余って、中性脂肪として蓄積されやすい生活習慣を作るからです。

 

食べ過ぎてない、運動している人で要注意

では、食べ過ぎておらず、運動もきちんと行っている人であれば脂肪肝にならないかといえば、そうでもありません。

ダイエットに取り組む人は年齢に関係なく世の中にたくさん存在しますが、無理な食事制限ダイエットを行うことにより、低栄養性脂肪肝という病気にかかる可能性が高まることもわかっているからです。

摂取カロリーが少なすぎると低栄養状態になり基礎代謝が下がるため、体が生命を維持しようとしてかえって脂肪を溜め込みやすい体質になってしまいます。

また、お酒を飲まない人は脂肪肝を見逃されてしまう可能性が高いことも、注意したい部分です。

 

お酒を飲まない人の方が危険な理由

健康診断の際、お酒を飲む人なら数値にあらわれやすく、早めに脂肪肝に気づくことができます。

ところが、それ以外の人だと細胞への影響が少ないのが原因で数値に出にくいため、脂肪肝の発見を遅らせてしまう恐れがあります。

隠れ脂肪肝とも呼ばれており、1000万人はいるのではないかと考えられているほど身近な存在です。

脂肪肝になると肝硬変や肝臓がんなどの、肝臓に関わる深刻な病のリスクを高めると指摘されています。

ところが近年、アメリカの総合病院が行った研究によると、脂肪肝は肝臓にとどまらず、体中の臓器でがんを発症するリスクが高まることがわかってきました。

脂肪肝ではない人に比べ、胃がんは3.5倍、膵臓がんは2.7倍など、各がんの発症率が高くなっています。

隠れ脂肪肝を発見は最新の医療機器を用いることで精度が高まりますが、現時点だと設備の揃った医療機関の数は限られており、誰でも容易に見つけられる状態ではありません。

 

どうすれば予防できるのか?

恐ろしい脂肪肝ではあるものの、生活習慣を見直すことで改善できます。

食べ過ぎをやめて、腹八分目を目安にします。バランスの良い食事内容にすることも大切です。

脂っこいものや炭水化物ばかりでなく、煮物や汁物、おひたしやサラダなどを組み合わせるのが有効です。

肉類に魚、豆類に海藻、乳製品など好き嫌いなくまんべんなく食べるよう心がけたいところです。

軽いものでも良いので定期的な運動習慣を取り入れ、筋トレで筋肉を増やすようにします。

過度な食事制限ダイエットをやめることも大切で、食事を減らすことよりも体を動かし、消費カロリーを増やすやり方で少しずつダイエットに取り組むようにすれば、隠れ脂肪肝を防ぎやすくなります。

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