現在の北海道新幹線の終点は「新函館北斗駅」ですが、2030年の開業を目標に、札幌駅まで延伸が進められています。
これで、やっと北海道の中心地に新幹線だけで行けるようになるのですが、本当に利用されるのか疑問も残ります。
というもの、新幹線には4時間の壁というものがあり、4時間を超えると、飛行機にシェアが負けると言われています。
東海道新幹線の場合、東京駅から広島駅までは新幹線で4時間を切るため、新幹線のシェアが高いのですが、山口や博多まで行くとなると、4時間を超えるため、飛行機の方がシェアが高くなっています。
現在の北海道新幹線は、東京駅から新函館北斗駅まで、最短で4時間をギリギリ切るダイヤですので、210km離れた札幌駅まで4時間を切るのは現時点では絶望的です。
この状況では、北海道新幹線ができたとしても、利用されないのではないかと心配になりますよね。
ということで、北海道新幹線が開業したらどうなっていくのか考えていきたいと思います。
東京駅から札幌駅まで4時間を切れるのか?
現在の東北・北海道新幹線の速度では、東京駅から札幌ま駅で行こうと思うと、おそらく5時間ほどの時間がかかると見込まれます。
これでは、4時間の壁を超えているため飛行機の方が優勢です。
実際に羽田空港から新千歳空港までのフライト時間は1時間30分ほどで、前後1時間の移動が発生したとしても所要時間の合計は3時間30分です。
実際には搭乗手続きなどがあり、もう少しかかる場合もありますが、それを踏まえても、飛行機に群杯が上がります。
やはり、東京駅から札幌駅まで4時間を切れるかが、北海道新幹線の延伸成功の鍵を握っているかと思います。
この鍵に対して、JR東日本とJR北海道は、東北新幹線内のスピードアップを検討しています。
現在、東北新幹線の最高速度は、時速320kmですが、これを360kmまであげて、
制限のある上野駅から大宮駅の区間も時速110kmから130kmへのスピードアップが検討されています。
その他に区間に関しても、スピードアップを検討しており、これにより4時間30分はギリギリ切れるのではないかと言われています。
しかし、それでも4時間の壁は難しい状況です。
最終的には、どうにかして4時間を切れる可能性もゼロではありませんが、現時点では4時間30分が限界なのかと考えています。
新幹線と飛行機、どちらのシェアが大きくなるのか
東京から札幌の移動需要は、コロナ以前の話にはなりますが、年間1000万人を超えていると言われており、飛行機のシェアが8割から9割近くあります。
このうち、どれほど新幹線に移行できるかという問題ですが、4時間を切れば、半分以上、4時間を切れなくても30%以上は新幹線に流れるんじゃないかと考えています。
その理由としては、やはり羽田までの距離と新千歳からの距離です。
近いとはいえ、それなりに離れているので、それだったら中心地に近い場所から乗車できる新幹線が選べれやすいじゃないかと思います。
ただ、これには条件があり、どれだけJRが本気を出せるかということにかかっています。
というのも、羽田から新千歳の便は1日60本以上あり、世界でも有数の過密航路となっています。
それに対して、東京駅から北海道新幹線を直通する新幹線は現在、1日10本ほどしかありません。
はやぶさ号を全部、北海道新幹線に直通したとしても35本ほどなので、いつでも乗れるという利便性を見れば飛行機が優勢です。
新幹線と飛行機では1本あたりに運べる人数が違うので、飛行機のような本数は無理かもしれませんが、
いつでも好きな時に乗れるぐらいの本数は必要かと思います。
ダイヤ的にできるのか?
北海道新幹線直通列車を増やせと言われても、ダイヤ的にできるのかという疑問もあります。
東京から大宮駅間は、東北・上越・北陸新幹線が共有しており、ダイヤに余裕はありません。
これ以上増発したくてもできないというのが現実だと思います。
これに対する解決方法としては、大宮始発の新幹線を設定することです。
埼玉県や東京北部にお住まいの方であれば、東京駅に行くのも、大宮駅にいくのもそれほど変わらないと思うので
大宮駅に行ってもらい、大宮始発の新幹線に乗って貰えば、実質増発することができます。
上越新幹線と北陸新幹線がそれぞれの路線に抜ける分を増発できるのでかなりの本数になるはずです。
実際は、それほど需要はないと思いますが、1時間に2本ぐらいはあってもいいのではと考えます。
JR北海道の経営はどうなるのか?
最後に赤字続きで大変なJR北海道の経営状況が、札幌延伸の開業でどうなるの考えてみました。
現在のJR北海道は新幹線で全く稼げていない状況ですが、札幌まで延伸されれば収益が改善すると考えています。
理由としては、やはり思った以上にシェアを取れると予想しているからです。
JR東日本としても、JR北海道としても年間1000万人の移動のシェアを少しでも取れれば、コロナ禍でビジネス需要が減った分を挽回できます。
それだけ、本気になって、車両の開発、スピードアップに向けた施策、料金設定を考えると思います。
JR北海道だけでは難しいかもしれませんが、日本一の鉄道会社であるJR東日本が同じ思いを持って、取り組んでくれることはかなり大きな存在になると思います。
開業まで、あと10年ほどありますので実際はどうなるかわかりませんし、もしかすると延期を繰り返したり、一部を先行開業させたりなど、プランも変わってくると思いますが、かなり期待できる延伸なのかと考えています。
もし、僕が北海道にいく時は、飛行機ではなく、新幹線を利用したいと思います。
あくまでも個人の予想と調べられる範囲での内容なので間違った情報があるかもしれませんがご了承ください。