中小企業の半数以上が人手が足りないと嘆くこの時代。
どれほど人事が大変な思いをしているか皆さんはご存知ですか。
募集広告をいくら出しても、給料や待遇に改善をしても、大きな効果はなく、頭を悩ます日々が続いています。
また、採用ができないだけではなく、せっかく採用できても数ヶ月も立たず退職されてしまう事も多々あります。
そこで、今回は悩める人事のために、どうすれば人を集める事ができるのか、またどうすれば辞める人を少なくできるのかを考えて行きましょう。
求職者は何をみて応募してくるのか?
人事である以上、従業員の事はもちろん、これから従業員になる人の考えも理解して、その期待に答えなければなりません。
そこで、知っておかなければならない情報が、求職者は何を見て応募をしてくるのかという事です。
一般的な市場調査のデータでは残念ながら役立つ情報が得られません。
というのも、求職者側にも明確な基準があるわけではなく、何を求めているのか自分でも分かっていないからです。
そこで、私が考えた優先すべき順位は①企業規模、②休日、③給与、④待遇です。
①企業規模を高める
中小企業が企業規模を高めるためには、時間と労力、資金がかかり過ぎてしまいます。
そのため、現実的ではありませんが、大きく見せることならできます。
例えば、創業年数・主力商品・従業員数・資本金・事務所個数を明確にするだけでも、企業規模が大きく見えるのです。
明確にするなど当たり前と思っている方もいるでしょうが、ホームページにこれらが記載されていないことが多々あります。
というより、今の時代にホームページすらない会社も中小企業では多く存在しています。
無駄な予算を使ってまで、作成する必要はないと思いますが、無料で作れる時代ですの、ホームページぐらいは用意してもいいのではと思います。
また、嘘をついてまで大きく見せる必要はありませんが、正しく明確にすることだけでも、求職者にとって有益な情報になります。
②休日を増やす
近年は、多くの企業で完全週休二日制が取られています。
私の経験上、人手不足で悩む企業の半分は、ここに問題があります。
週休1日であったり、完全週休二日制でなかったり、祝日出勤であったり、大型連休がとれないケースが多く見受けられます。
もちろん、業種によって、どうしても無理な場合もあるでしょう。
しかし、人数を確保する事で、全員が安定的に休みながらのシフトが組めるはずです。
最低限、完全週休二日制、大型連休は年三回、祝日は休み(振替含め)ぐらいは当たり前にすることから始めましょう。
その上で、独自の休暇制度をつくったり、有給取得率を改善するなどして、プライベートが需実できる企業であることをアピールできれば、さらに魅力が高まります。
③給与の改善
給与に関してですが、既存の社員との兼ね合いもあり、あげたくても上げづらいと思います。
しかし、よく考えてみると、既存の社員の給与水準を引き上げることで、離職率の軽減にも繋がるはずです。
人手が必要と感じているのであれば、最低限の利益が確保できている企業かと思いますので、基本給の引き上げは難しくても手当ての引き上げを実施して行きましょう。
ただ、他社と比べてあまりにも高額な給与はマイナスイメージになります。
例えば「長時間の労働が常習化してるの?」や、「厳しすぎるノルマが課せられるの?」 っと実際そうでなくても、求職者は疑ってしまいます。
給与を大幅に上げるのは、年功序列か入社後の成績で臨機応変に対応することが重要です。
④福利厚生を高める
個人的には福利厚生は、そこまで重要な要素ではないと考えています。
理由は、福利厚生を目的に仕事をする人は皆無に近いからです。
というより、福利厚生に魅かれるような人は残念ながら優秀ではない可能性が高いです。
福利厚生にお金を使う余裕があるのであれば、給与に反映させた方が100倍くらい優秀な人材を確保できます。
本当にできる人は、お金にシビアです。
少しでも優秀な人を採用をしたいのであれば、福利厚生を考えず、給与引き上げをご検討ください。
応募者の目につくキャッチコピーとは?
求人広告を出す上で、必ず必要になってくるのがキャッチコピーです。
代理店に任せっきりでは、正直ありきたりなキャッチコピーしか使われません。
なぜなら、代理店は会社の外側しか見ていないからです。
代理店の考えるキャッチコピーの例
1つめ:未経験大歓迎! 完全週休二日制でプライベート充実◎ 駅近で通勤もラクラク
2つめ:スグに覚えられる簡単作業! 40代からの活躍者多数★月給27万以上も可
参考となるキャッチコピーの例
1つめ:創業10年目の地域密着型スーパーマーケット 大手とは全く異なる戦略が今の当社を支えています
2つめ:飛行機部品を作り続けて15年。当社最大のヒット商品は社長の入浴中に誕生しました。
両者には明らかな違いを感じていただけるはずです。
代理店の考えるキャッチコピーにはメリットを詰め込んでいるだけです。
それに比べてて参考となるキャッチコピーはメリットが全くありません。
しかし、会社の年数を表示することで、会社の規模感を表しており、成功企業であることをキャッチコピーで物語っています。
先ほども言いましたが、企業規模を重要視する傾向が強い求職者の心に刺さるキャッチコピーはこれです。
とにかく、キャッチコピーが他社と同じでは話になりません。
差別化を図るためにも、自社にしか書けない事実を盛り込みましょう。
まとめ
今回ご紹介した改善法は、「会社制度の変更」と「求人広告のキャッチーの工夫」です。
これを改善するだけで、今までよりは明らかに採用が簡単になり、離職者も減ります。
とにかく、言えることが求人広告の代理店任せでは絶対に採用できないということです。
求人広告の代理店の使える部分は使って、自分で行動を起こさなければならない部分は、面倒でも自分で行いましょう。
ちなみに、求人広告の代理店を使うメリットは、過去の成功事例や最近の動向を教えてもらえることです。
媒体選定や求職者の動向などは情報を提供してもらい、原稿は自分の考えるというのがベストではと私は思います。
この記事を参考にすると、人事の仕事が増えてしまいますが人手不足の現代では仕方のないことではないでしょうか。
少しでも、成果をあげたいのあれば、騙されたと思って実行してみてください。
すぐには効果が見えなくても、次第に効果が見えてくるはずです。