東芝や神戸製鋼、ソニーなど日本を代表する企業が倒産の危機を迎えている事は皆さんも、なんとくなくご存じだと思います。
しかし、危機と言っても「倒産することは無い」「倒産したとしても再建する」と思っている人も多いでしょう。
確かに、これまでは日本航空にしても、ウィルコムにしても、国や競合他社が助けてきた背景があります。
どうしてかと言うと、そこには大勢の雇用があるからです。
例えば、東芝が倒産し、全てが解散すると、軽く見積もっても30万人以上の人々が失業します。
そうなると、国としてはもちろん税収も減りますし、競合他社としても、それらの人材を有効活用しない手はありません。
そんな事から、大企業は倒産しても、本当の意味で倒産しないと言われています。
しかし、そんな時代も、もうすぐ無くなっていくと私は考えています。
大企業でも当たり前に倒産して、復活もしない世の中になっていく未来が、すぐそこにあります。
「まさか」と思う人も多いと思いますが、少し考えてみると当たり前の現象だと気が付くでしょう。
今回は、どうして大企業が続々と倒産していくのかを解説していきたいと思います。
①優秀な人は大企業よりも自分で起業する
ひと昔前は、優秀な人ほど大企業へ就職する事が多く、そのおかげもあって日本の大企業は急成長しました。
しかし、今はと言うと、優秀な人ほど企業へ就職せず、自分で事業を起こします。
しかも、企業での下隅を経験せず、いきなり起業してしまう人が大勢いるので、大企業としては、優秀な人不足で悩まされています。
これらの要因は、現代の世の中が起業しやすい環境になった事があげられます。
クラウドファンディングや仮想通貨の誕生で資金集めが容易になったり、SNSやindeedの登場で人材集めも簡単になりました。
そして何より、IT革命により少人数でも大きな事業を行える世の中となり、優秀な人は企業にいるより、起業する方が圧倒的に稼げてしまいます。
そんな事もあり、今後も優秀な人は自分で事業を起こしていくでしょう。
そうなると、大企業に優秀な人材が集まらなくなるのは明確です。
②大企業には優秀でない人ばかり残る
優秀な人が自分で事業を起こす事により、大企業には優秀ではない人ばかりが残ってしまいます。
当面は、これまで培ってきた仕組みや技術が存在するので、大した痛手はありませんが長期化すると話は別です。
徐々に資金が減っていき、売上も下がり、新しいサービスは誕生せず、負の連鎖が続きます。
そうして、いずれは資金不足、売り上げの大幅減少などを理由に事業の継続が難しくなるでしょう。
もちろん、大企業の持つ資金力は計り知れないものがありますので、目に見えて危うくなるのには相当な時間がかかります。
しかし、目に見えてきた時点で、投資家たちは一斉に引き揚げ、倒産を回避出来ない状態にまでなる事でしょう。
③その中でも優秀な人が新しい会社に転職する
トップクラスで優秀な人は自分で起業をしますが、中途半端に優秀な人は、とりあえず大企業に就職します。
しかし、それらの人は途中で、このままでは危ないかもと思い、優秀な人が作った会社へ転職します。
そうなると、大企業には本当に使えないポンコツしかいなくなります。
そして、ポンコツが上層部になり、さらに会社は酷い状態になっていくことでしょう。
④そして、とうとう倒産する
ここまで来ると、大企業も簡単に倒産してしまいます。
さらに、従業員数もかなり減っているので、救済処置もありません。
強いて言うなら、国が救済してくれる可能性はありますが、残念な事にポンコツしか残っていないので、同じことを繰り返し、挙句の果てには国にすら見放されてしまいます。
おそらく、このころには大企業とは言えない状況にまでなっている事でしょう。
そして、この時に大企業と言われているのは、優秀な人が新しく作った会社に変わっている事でしょう。
企業にも寿命がある
結論としては、企業にも人間と同じく寿命があるという事です。
優秀な人が作った新しい大企業も創業者が不在になった時は、今の大企業と同じよに、いずれは倒産への道を歩むことでしょう。
これは、仕方のない事であり、企業も個人も永遠には続かないと言う事です。
「まさか」と思っている人も多いとは思いますが、考えてみると今の大企業と呼ばれる会社も、比較的歴史があると言っても200年程度です。
企業と言う存在が出来てから少なくとも数千年は立っているのに、大企業の歴史がこれほどまで浅いのは、私の仮定が正しいと言う証拠だとも言えます。
もちろん、昔と現代では資本の違い、ビジネスの違い、領域の違いなどがあり、単純に比較するのはナンセンスかもしれませんが、現実的にあり得る話です。
大企業を信じるのも良いですが、周りを見渡して優秀な人が逃げていくようであれば、その企業の終止符は近いのかもしれないと思う事をお勧めします。