関東の私鉄大手の中で1社だけあまり目立ってない鉄道会社がある事をご存知ですか?
「相模鉄道(通称:相鉄)」は大手私鉄にも関わらず営業エリアが神奈川県内のみで他社線との直通運転もしていません。
なので、神奈川県民にしか知られていない大手私鉄とも言われています。
しかし、そんな相鉄も数年後にはJR・東急との直通運転を実現させようとしています。
そうなると、都内にも相鉄の車両が走り、一気に相鉄の知名度が上がる事でしょう。
また、沿線の利便性が高まり、沿線住民も増えます。
相鉄にとっていい事だらけに感じますが、ある事が危惧されています。
それが、「横浜駅」の利用者が減少です。
実は、相鉄の直通運転によって横浜駅を通らずとも都心に向かえるようになります。
そうなると問題が発生するのが横浜駅に入るデパートや周辺商業施設です。
乗り換えの客がいなくなるという事は、商業施設の利用者も大幅に減る事が予想されます。
また、横浜駅を利用する人が減ってしまうと、横浜駅周辺の地価も下落してしまうのではと言われることもあります。
そこで、今回は相鉄とJR・東急が直通が実施された場合、どれだけの人が横浜駅から消えるのか考えてみました。
現在の横浜駅の利用者 1日115万人
現在、横浜駅にはJR東日本、京急、東急、市営地下鉄、横浜高速鉄道(みなとみらい線)と相鉄の6社が乗り入れています。
これは、2018年現在、日本一多くの事業者が乗り入れる駅となっています。
そして、その合計乗降客数が1日平均230万人と言われており、1人が2回利用すると考えると約115万人が利用しているという事になります。
そのうち、相鉄線「横浜駅」の乗降客数は42万人なので、約21万人の利用者がいるという事です。
※2017年現在の情報です。
相鉄「横浜駅」で降りた後の行動
現在、相鉄を利用して「横浜駅」に着いた後、行動するパターンは大きく分けて以下の4つです。
①横浜または、関内・桜木町・みなとみらいなどに向かう
②東京駅方面へ向かう(京急やJRを利用)
③渋谷・新宿・池袋方面に向かう(東急を利用)
④その他の方面へ向かう(JRや市営地下鉄、横須賀方面の京急利用など)
このうち、直通運転後に横浜駅を利用しなくなるのは③と④の一部です。
※④の一部とは「新横浜駅」方面に向かう人の事です。
どのぐらいの割合なのか
行動パターン①~④それぞれの割合はどうなのでしょうか?
正確なデータがないのであくまでも予想になりますが、大きく外している事はないと思います。
つまり、35%+3%(新横浜方面利用)の合計38%の人が横浜駅を利用しなくなる可能性があるという事です。
横浜駅での買い物はどれだけ減るのか?
1日あたり79800人の利用者が減るという事は、それだけ商業施設の売り上げも落ちるという事です。
仮に79800人のうち1%の人間が毎日1000円を横浜駅で消費したとします。
そうすると、1年間の売り上げは約2億9千万円となり、それだけの収益を失うという事です。
「1%の人間が毎日1000円も消費するのか?」と疑問に思う人もいると思いますが、十分に現実的な数字です。
というのも、横浜駅を利用する人が100日に1回のペースで1000円の買い物をすれば、上記の計算が成り立ちます。
アナタが横浜駅を利用している人間だと考えてみて下さい。
飲み物や食べ物を含めると100日間で1000円以上の消費をしているはずです。
つまり、横浜駅周辺の商業施設が失う利益は2億9千万円では足りないという事です。
地価は下がるのか?
商業施設が稼げなくなるという事は、撤退を余儀なくされるテナントも増える事でしょう。
そうなると、間違いなく地価は下がる事が予想されます。
もちろん、大幅な下落は考えにくいですし、相鉄沿線の住民が増えれば、減った分を補える可能性もあります。
なので、それほど深刻な状況になる事はないと考えられます。
※この記事はあくまでも予想です。
※数値に関しましても予想であり、正しい物とは限りませんのでご了承ください。