なぜ新潟と岩手には新幹線の駅が7つもあるのか?

新幹線の駅が多い都道府県と聞いてどこを思い浮かべますか?

僕が最初に思い浮かべたのが静岡県です。

東海道・山陽新幹線の中では最多の停車駅数にも関わらず、1本も最速達列車の「のぞみ」が停車しないということで、印象が大きく鉄道が好きな人の多くが静岡県を思い浮かべたかと思います。

しかし、実際に調べてみると、フル規格の新幹線駅が一番多いのは岩手県と新潟県です。

静岡県でも多いと思っていたのに、その上がいるとは驚きですよね。

ちなみに、ミニ新幹線を含めると山形県が10駅で最多になるのですが、ミニ新幹線は法律上、在来線扱いなので今回は新幹線駅にカウントしていません。

新幹線が日本一多い、2つの県ですが、新潟県は日本海側最大の都市なのでまだ理解は出来ても、岩手県については、お世辞にも人口が多いとは言えず、発展している都市も盛岡市ぐらいしか思いつきません。

こんなことを言うと、岩手県民に怒られてしまいますが、「そんなに新幹線の駅がいるの?」と思ってしまいました。

ということで、今回はなぜ新潟と岩手には新幹線駅が7つもあるのか調べてみました。

新潟県に7つの駅がある理由

新潟県には、新潟駅・燕三条駅・長岡駅・浦佐駅・越後湯沢駅・上越妙高駅・糸魚川駅の7つがあります。

スキー場がある、ガーラ湯沢駅は?と思った人もいると思いますが、ガーラ湯沢駅は、臨時駅で厳密には上越線の支線として扱われているので在来線です。

なので、フル企画の新幹線しか停車しませんが、法律上は在来線なので今回はカウントしませんでした。

それでは、一駅ずつ特徴を紹介します。

<新潟駅>

まず、新潟駅については、上越新幹線の終着駅で日本海側最大の都市、新潟市のターミナル駅なので駅があって当たり前です。

これに対して文句を言う人はおそらくいないと思います。

<燕三条駅>

燕三条駅は県央地域を代表する燕市と三条市にある新幹線駅です。

新幹線開業と同時に在来線の駅も出来たので、1日1500人ほどの利用者がおり、重要な駅の一つだと思います。

新潟からの距離が40kmも離れているので、上越新幹線開業当初から設置する計画が決まっていましたが、燕市にするか三条市にするかで、どちらも譲らない展開となりました。

最終的には、燕市と三条市の両方をまたがる場所に設置することになりました。

<長岡駅>

長岡駅は、長岡市の中心駅で日本三代花火大会の一つである、「長岡まつり」で有名な街です。

街自体も発展しており、新幹線だけで1日4000人以上、在来線を合わせると8000人以上の人が利用する大きな駅です。

燕三条駅から20kmほどしか離れていませんが、街の規模を考えれば新幹線駅を設置しても文句はないと思います。

<浦佐駅>

浦佐駅は、1日の利用者が500人ほどしかいない新幹線駅にしては小さな駅です。

正直、設置する必要はなかったと思いますが、長岡駅から40km以上、越後湯沢駅から30km近く離れているので、間に駅が欲しかったのだと思います。

ただ、近くには南魚沼市の中心地と魚沼市の中心地があり、そこに新幹線を設置するべきだったとの声もありますが出来なかったようです。

理由は、南魚沼市の中心地は、越後湯沢駅から距離が近すぎ、魚沼市の中心はルートを大きく迂回する必要があり、さらに土地の確保も難しかったようです。

なので、その中心である浦佐が選ばれたようです。

政治駅ではと言う声もありますが、おそらく、適切な場所が浦佐しかなかったのではと思います。

<越後湯沢駅>

越後湯沢駅は、越後湯沢温泉の中心地で観光輸送のために設置された駅です。

1日3000人ぐらいの利用者がいるので今でも多くの観光客が訪れていることがわかります。

また、この駅から臨時駅のガーラ湯沢駅にも支線が伸びており、スキーのお客さんも多く利用しています。

東京から近い観光地ということで、重要な駅の一つなのかと思います。

<上越妙高駅>

上越妙高駅は、北陸新幹線の停車駅で、北陸新幹線開業当初は、上越新幹線の停車駅ではないのに、上越と付けてわかりにくいという意見もありました。

上越市と妙高市にアクセスしやすい駅ということで、この駅名になったそうですが確かにわかりにくいですよね。

1日の利用者数は2000人ほどおり、JR東日本と西日本の境界駅でもあるので

それなりに重要な役割をしている駅なのかと思います。

<糸魚川駅>

糸魚川駅は、糸魚川市の中心駅ですが1日の利用者は500人ほどです。

新幹線の駅で、市の中心地にある割には少ないのかと思います。

隣駅の上越妙高駅と黒部宇奈月温泉駅から40km近く離れているので、ちょうど間の比較的大きな市である、糸魚川市が選ばれたのだと思います。

ということで、新潟県内にある7つの駅を紹介しましたが、全体的に重要な駅が多いというのが新潟県の特徴です。

正直、7つもあるといらない駅がたくさんありそうですが、浦佐駅と糸魚川駅を除いては、多くの利用者がいます。

一見、浦佐駅と糸魚川駅は、無くてもいいような気もしてしまいますが、駅間の距離を考えると必要だったのかと思います。

どうして新潟には新幹線駅が多いのかというと、2つの新幹線が走っていることが主な理由だと思います。

上越新幹線と北陸新幹線の2つが走っているので、必然的に駅の数が多くなります。

また、日本海側最大の都市ということもあり人口が多く、新幹線需要も高いのだと思います。

大物政治家の存在も駅が多くなった理由の一つかもしれませんが、純粋に需要が高いからだと思います。

岩手県に7つの駅がある理由

岩手県には、一ノ関駅・水沢江刺駅・北上駅・新花巻駅・盛岡駅・いわて沼宮内駅・二戸駅にのへえきの7つがあります。

秋田新幹線の雫石駅は、冒頭でも説明したように、ミニ新幹線のため今回はカウントしません。

それでは、一駅ずつ特徴を紹介します。

<一ノ関駅>

一ノ関駅は、一関市の中心駅で1日2000人以上の利用者がいます。

隣駅のくりこま高原駅・水沢江刺駅からは、それぞれ25kmほどしか離れていませんが、これだけ利用者がいれば新幹線の駅が設置されるのも納得です。

一関市は岩手県内で盛岡市に次いで2番目の都市なので、重要な駅の一つだと思います。

<水沢江刺駅>

水沢江刺駅は、1日1000人ほどの利用者がいる駅ですが、東北新幹線開業時は未設置の駅でした。

ただ、東北新幹線の建設計画が発表された時から、地元から設置の要望があり、地元が50億円を負担し、さらに駅周辺の環境も整えることを条件に設置されました。

いわゆる請願駅です。

利用者は決して多いとは言えませんが、請願されたので作ったのかと思います。

<北上駅>

北上駅は、岩手県で5番目に人口の多い北上市の中心駅です。

隣駅の水沢江刺駅と新花巻駅からは、それぞれ15kmほどしか離れていませんが、これは、請願駅に挟まれているからです。

JRとしては、水沢江刺駅・新花巻駅と北上駅を統合して、1つにしたいと思っているかもしれません。

<新花巻駅>

新花巻駅は、先ほども言ったように請願駅で、水沢江刺駅と同じように地元が費用を負担し設置されました。

新花巻のある花巻市は、岩手県内で4番目の人口を誇りますが、中心地から離れた場所にあるためか、北上駅より利用者が少ない状況です。

<盛岡駅>

盛岡駅は、言わずと知れた岩手県の代表駅で、岩手県内では飛び抜けて多い利用者がいます。

この駅が設置されたことに異議を唱える人はいないと思います。

<いわて沼宮内駅>

いわて沼宮内駅は、1日の利用者は100人未満のJR東日本の新幹線で一番利用者の少ない駅です。

正直、必要ないと思いますが、隣駅の盛岡駅と二戸駅からの距離がそれぞれ30km以上離れているので、駅間の距離を考えて設置されたのだと思います。

長いトンネル区間が続く場所でもあるのでトンネル内でトラブルがあった時の避難場所としての役割もあるのかと思います。

<二戸駅>

二戸駅は、1日の利用者が700人程度の駅なので、いわて沼宮内駅ほどではありませんが、それほど重要な駅とまでは言えないと思います。

ただ、隣駅のいわて沼宮内駅と八戸駅からそれぞれ30km以上離れているので、駅間の距離を考えて設置されたのだと思います。

ということで、岩手県内にある7つの駅を紹介しましたが、全体的に駅間の距離を考えて設置された駅や、請願駅が多いような気がします。

利用者数だけを考えれば、一ノ関駅・北上駅・盛岡駅だけで十分です。

ただ、追い越し設備が必要だったり、安全対策のための避難場所が必要だったりと、様々な理由で7つも駅が設置されているのだと思います。

これも、全て岩手県の面積が大きすぎるということに理由があります。

岩手県は北海道に次いで2番目の面積を誇る県です。

その大きさは四国とほぼ同じだそうです。

それだけ広いということは、ある程度の間隔で駅を設置すると、必然的にたくさんの駅が必要になります。

これが、岩手県に駅が多い最大の理由かと思います。

ちなみに、新潟県についても、日本で5番目に大きい都道府県なので、単純に面積が大きいという理由もあるのかと思います。

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