音楽聞き放題サービスは採算が取れているのか?

国内・国外の企業が多数提供する音楽聞き放題サービス。

私も大手どころのサービスは一通り使ってみて最終的にLINE Musicに落ち着きました。

どうして、LINE Musicで落ち着いたかというと、シンプルなインターフェースが気に入ったからです。

そう、各社とも配信されている楽曲の内容や音質には殆ど違いは見られず、インターフェースによって消費者は選ぶしかありません。

これには理由があり、参加するアーティストは、殆どのサービスに参加し、参加しないアーティストは殆どのサービスに参加しないからです。

私の感覚としては、古い体質のアーティストは参加したがらず、売り出し中のアーティストは積極的に参加していると思います。

 

なぜ、古いアーティストは参加しないのか

これに関しては理由がはっきりしており、CDやダウンロード配信の方が圧倒的に利益が高いからです。

聞き放題サービスに参加してしまえば、間違いなく売り上げが下がってしまいます。

ある程度ファンが定着しているアーティストは、新しいファンの獲得よりも、今のファンからお金を回収したほうが効率が良いのは当たり前です。

リスクを取るよりも、安定的に収益を残すために、聞き放題サービスへの参加は検討もしていない状況ではと思います。

 

アーティストにとって採算は取れるのか?

聞き放題サービスの価格を見ると、どれも1000円前後です。

ここから、運営の利益や決済代行サービス、税金が引かれて、500円がアーティストに分配されると仮定します。

日本国内において主要サービスは、「AppleMusic」「GoogleplayMusic」「LINEMusic」「AWA」「Spotify」の5つといったところでしょう。

各200万人づつ会員がいたと仮定しても、1000万人です。

500円×1000万人=50億円がアーティストに分配される金額です。

1人当たり少なくとも月に200曲は再生するとすれば、200曲×1000万人=20億再生されていると言う事になります。

単純に50億円÷20億再生=1再生あたり2.5円の収益となります。

人気アーティストで100万再生されたとしても、250万円です。

この数字を見ても分かる通り、CDやダウンロード配信と比べ、利益にならない事が明らかです。

(あくまでも仮定上での計算式であり、実際とは異なる場合もございます。

 

それでも、配信する理由って?

それでも、アーティストが聞き放題に配信する理由とは何なのでしょうか?

例えばAKBや乃木坂、欅坂などのアイドルであれば、ファンを増やす目的が考えられます。

ファンを増やすことにより、CDの購入者を増やすことが出来、更にコンサートやグッズ販売の売り上げにも貢献されると考えられます。

簡単に言うと、宣伝用で利益など考えてもいないと思います。

一般のアーティストにしても、聞き放題によって人気が出れば、CDは売れなくとも、コンサートやグッズ販売に貢献され、映画やドラマ、CMの主題歌として採用されることもあります。

特に新人の間は、タダでも多くの方に聞いてほしいので、聞き放題への参加が積極になるのも普通の現象です。

いずれにせよ、売り上げなどは気にしておらず、宣伝の一環という考えが強いのではと思います。

 

この先の聞き放題サービスは成長していくのか?

先ほども述べたように、アーティストにとって聞き放題サービスは宣伝の場所に過ぎません。

もし、別の宣伝方法が見つかったり、宣伝の必要がなくなった場合は、撤退する事も考えられるでしょう。

そもそも、音楽産業全体が衰退していく中で、更に利益を下げる聞き放題サービスは、アーティストを苦しめる事になります。

少しでも認知度を上げたい新人や音楽以外でも売上を得る事の出来るアイドル以外は、聞き放題に向いていないと私は考えています。

もちろん、ユーザーである私たちからすれば、1人でも多くのアーティストに参加していただくことが一番嬉しい事です。

しかし、そのような日が来るのは、この聴き放題がサービスの仕組みがもっと整備されるまでは、あり得ないと考えています。

少なくとも、CDやダウンロード配信で美味しい思いをしたアーティストが消えるまでは、聞き放題の成長は見えないと読んでいます。

1 COMMENT

riddlepuzzle

もっと、様々なアーティストが聴き放題に参加していただければ、もっとサービスもよくなるはずです。
CDの時代は、間違いなく終わっていくので、収益は減りますが、今のうちに乗っておいた方が良いのではと思います。

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