1994年のアメリカとイタリアの合作映画である「レオン」。
リュック・ベッソン監督手がける、ジャン・レノ演じる殺し屋レオンと、ナタリーポートマン演じる家族を失った少女マチルダの物語。
不朽の名作と言われ、今も廃ることのないこの映画の魅力を語っていきます。
映画を観たことがない方もぜひ一度読んでいただき、注目点を確認してください。
大まかなあらすじと見どころ
父が麻薬の売人である12歳の少女マチルダ。彼の父の再婚相手と、マチルダの姉にあたるその再婚相手の娘、幼い弟との5人家族で古いアパートに暮らしていました。
父の再婚相手である母と、腹違いの姉とはうまくいかず、唯一彼女にとって大切な存在であったのが幼い弟でした。
愛のない家庭で育つマチルダは、12歳にして学校にも通わず昼間はアパートで
タバコを吸っている始末。
そんなさえない生活を一変する出来事、家族惨殺。
麻薬の売人である父が取引先の麻薬をくすねたことがバレ、黒幕である麻薬取締班であるゲイリーオールドマン演じる刑事、スタンフィールドに家族全員を殺されるのでした。
たまたまその場所に居合わせなったマチルダのみ助かりましたが、スタンフィールドはもう一人、この家庭に子供がいることを知り彼女を探しまわります。
それに気づき逃げるマチルダが助けを求めたのが、同じアパートに住む殺し屋レオン。
アパートの扉越しに彼に助けを求め手を差し伸べるか迷うレオン。
しかし、扉を開け彼女を助けたことから孤独な殺し屋レオンと12歳の少女マチルダの二人の物語が始まります。
この映画の物語の見どころはこの二人の間に予想もしない愛が生まれるということです。年齢差、対照的な性格、そこから生まれる純愛に心が惹きつけられる映画です。
魅力的な登場人物たち
この映画が見る人を惹きつける理由、それは登場する魅力的な登場人物たちだと思っています。
まずこの映画の主人公であるレオン、彼の魅力は映画の最初から最後まであふれ出ています。
彼は幼いころイタリアからアメリカに移住し、殺し屋として少年のころからたった一人で生計を立ててきたのです。
狙った相手を逃さない彼の仕事っぷりは、凄腕と言われ殺し屋としては一流。
仕事においてはかなりストイックで容赦ない恐ろしい一面がある一方、そこからは想像ができない彼の愛らしい一面をこの映画では描いています。
マチルダとの生活により、あらゆる意外な一面が垣間見られることにこの映画の面白さがあります。
この映画を語るうえで、ヒロイン マチルダの魅力は必須と言えるでしょう。
12歳の少女からは考えられないほどの色気が表情や言動から感じられるのです。
彼女の一挙一動に主人公レオンは振り回されながらも、視聴者と同じく彼女の魅力にはまっていくのです。
また彼女のヘアスタイル、ファッションも映画を観る人を楽しませます。
眉毛より上のラインの切りっぱなしの前髪から覗く端正な顔立ちに、シャープできれいなあごのラインぎりぎりを沿う短いボブスタイル。
黒のチョーカーに、コンパクトな丈感のトップスからちらっとのぞくウエスト、ハードなゴアブーツやメンズ感のあるMA-1。
少女、女性らしさ、メンズライク様々な要素がミックスされたスタイルに憧れを抱く方も少なくないはず。
彼女のスタイルも必見です。
私はこの映画以上の名悪役はいないと思っています。
そう、それがゲイリーオールドマン演じる麻薬捜査官でありマフィアの顔を持つ
スタンフィールド。
彼の登場シーンは非常に恐ろしさを感じたのを覚えています。
自分を奮い立たせる、もしくは精神を安定させているかのようにも見える彼がクスリを飲むシーンは何度見ても鳥肌が立ちます。
知性や紳士的な要素を持ち合わせつつ、サイコパスで異常性がありデリケートな彼のキャラクターが、悪役としてこの映画をさらに魅力的に見せています。
心に残る名シーン
この映画には観た人の心に残る名シーンといわれる場面がいくつも登場します。
名シーンは例えば歌手のPVのワンシーンやTシャツやグッズのイラストなど様々なモチーフに使用されるほどです。
まず一つ目の名シーン、弟が殺されたことを悲しむマチルダをレオンが不器用なりにも励まそうとするシーンです。
レオンがキッチンにあった豚の鍋掴みを手にはめ、ブタさんになりきりながらマチルダに話しかけるのです。
豚の鍋掴みと聞けば、誰もがこのシーンを思い出すのではないでしょうか。
二つ目のシーン、マチルダが彼にあるゲームを誘い、二人がそのゲームで楽しんでいるシーンです。
そのゲームというのが仮装ゲームのようなもので、出題者が何かに扮し、回答者である相手が、それが誰かを当てるというゲーム。
様々な映画の登場人物や映画スターの仮装をする二人が何とも言えないぐらい愛くるしく、素敵なシーンに仕上がっています。
3つ目のシーン、レオンが大切にしている観葉植物をマチルダが抱えて二人が移動するシーン。
孤独なレオンが唯一愛を与えてきた相棒の観葉植物。
地面に根がついていない観葉植物を自分と重ね大事に手入れをし、どんな一大事でも観葉植物守るシーンが出てくるのでマチルダ、レオンと言えばこの観葉植物を抱えた姿をイメージするのではないのでしょうか。
二人の純愛
この映画の魅力をいくつかご紹介させて頂きましたが、この映画の一番見どころと言えば二人の純愛と言えるでしょう。
年齢差をも障害とならないほどの対照的な二人の大きな愛がラストで涙を誘います。
殺し屋映画と聞くと想像もできない愛の溢れるストーリー。
ぜひ愛する人と一緒に観て頂きたい作品です。