現代の日本は人手不足問題が深刻になりつつあります。
改善の見通しはなく、2020年には380万人、2030年には600万人を超す人手不足が予想されています。
どして、ここまで人手不足が拡大してしまうのでしょうか?
どうして人手不足が起きるのか?
まず考えなければならないのが人手不足が起きている原因です。
一般的には少子化問題、人口の減少と言われていますが、それは違います。
確かに就労人口の減少も原因の一つではありますが、過去と比べるとそれほど問題になるレベルで減っていません。
むしろ、IT化が進む現代では一人当たりに求められる作業も減り、人手が余っていると言っても過言ではありません。
つまり、人手不足が起きているのではなく、一人ひとりの就労能力が減っているのです。
サービスの増加が本当の原因
では、どうして一人当たりの就労能力が減ってしまっているのでしょうか。
その原因はサービスが増加しすぎている事にあります。
例えばコンビニを例にすると、半径500メートル以内に3つの店舗があったとします。
どの店舗も3名のシフト体制で、1時間当たりの3店舗合計利益は3万円だったとします。
この状況では1名あたり、3333円の利益しか生んでいません。
しかし、これを2店舗にすると、一人当たり5000円の利益を生むことになります。
店舗を増やし続ける事で成長したいと言う企業の思惑も理解できます。
特にドミナント戦略を実施している企業では、例え利益が減ってでも囲い込みを行いたいと考えているでしょう。
しかし、それこそがサービス過多であり、人手不足を招いています。
もちろん、これは同業他社が増えすぎる事も同じです。
今は起業がしやすくなりましたが、それによって人手不足が起きているのも事実です。
全く新しいサービスであれば起業する価値は十分にありますが、既存のビジネスを真似するぐらいであれば、人手不足を招くだけなので止めておいた方が良いと思います。
人手不足が起きているのは給与が安い企業だけ
世間は人手不足で騒いでいますが、実際に人手不足で困っているのは給与の安い企業だけです。
もちろん、特殊な資格を必要する職種は別ですが、給与の良い会社は基本的に人手に困っていません。
つまり、給与を上げれば人手不足は解決します。
しかし、給与を上げる余力がないと言う企業も多い事でしょう。
ただ、ここで考えてほしいのが自分が労働する立場であった時、あなたの提示した条件で働きたいと思うかです。
「最低賃金、休みはほぼなし、重労働」このような状況で本当にあなたは働きたいですか?
もし、働きたくないと思うのであれば、そこから改善しなければなりません。
逆に言うと、そこさえ改善できれば人手不足問題は解決します。
AIやロボットで代用できないのか?
最後に、AIやロボットの活用で人手不足を解決できないのか考えていきましょう。
おそらく、大手企業を中心にAIやロボットの活用は増えていくでしょう。
その結果、大規模リストラが発生するはずです。
と言うか、現に大規模リストラを行っている企業は多くあります。
しかし、中小企業にとっては、残念ながら初期投資費用が大きすぎて話になりません。
また大手企業も、いくらAI化・ロボット化が進んでも人手は必要です。
そう考えると、人口減少が確実の未来では、根本的な解決とはならないでしょう。
従って、AIやロボットに期待しすぎるのは間違っています。
とにかく、給与を上げて優秀な人を確保する事を考えた方が今後の為にもなるはずです。