2021年8月に入り、多くの企業では第一四半期の決算結果が発表されました。
コロナ禍のため厳しい結果となった業種もありましたが、多くの企業では好決算を記録しました。
例えば、トヨタでは過去最高益を記録し、ネット広告大手のサイバーエージェントも上方修正をするなど、コロナ禍とは思えないほどの業績を叩き出しています。
しかし、株価はと言うとそれほど上がっていないどころか、下がっている企業もあります。
どうして、好決算にも関わらず株価は冴えない結果となってしまったのでしょうか。
今回は、株価が下がった理由について解説していきます。
株価は需要と供給により価格が決まる
株価というのは、企業が値段を決めるわけではなく、投資家の需要と供給によって値段が決まります。
その株を欲しいと思う人が多くいれば高騰しますし、いらないと思う人が多くいれば下落します。
なので、今回の好決算では欲しいと思う人が少なかったというより、むしろ、いらないと思う人が多かったと言うことです。
株価は未来の期待が含まれている
株価とは、その企業の価値を表す指標ですが、今の価値を表しているわけではありません。
将来的に成長するだろうと言う見込みも値段に含まれています。
なので、赤字であっても株価が上がっている企業も多く存在します。
つまり、今回の好決算では、現時点の企業価値は上がったものの、将来的な成長に関しては、期待されなかったと言うことになります。
また、逆を言うと、これらの決算は織り込み済みであったとも言えるでしょう。
好決算なのは、まとめ買いがあったから
今回の好決算の背景には、コロナ禍における我慢の連続が消費を加速させたと言われています。
特にBtoCの業界では我慢した分と給付金により、多くの家庭で貯金が増えたとのデータもあります。
これらが、第一四半期に集中して消費されたと考えています。
BtoBについても同じで、昨年は業績不振により先送りにしていたことを、この第一四半期に行なった可能性もあります。
全ての業種、企業で同じようなことが起きているとは言いませんが、このような要因で好決算を記録した企業があるのも確かです。
感染拡大により買い控えが進む
現在の日本では、ワクチン接種が進むものの、過去に例を見ないほどの勢いで感染拡大しております。
こうなってくると、間違いなく買い控えが発生します。
よって、第二四半期は、第一四半期のような好決算を記録できるか、不確定です。
この不確定なことも株価を下げた理由と言えるでしょう。
この好決算で経済が回復したと思う人は痛い目を見る
今回の好決算により、すぐに株を購入しようと思った人は痛い目を見ると思います。
実際に私も、そのうちの一人で、好決算にも関わらず、異常なまでに下がったサイバーエージェント株を購入した結果、含み損を抱えてしまいました。
サイバーエージェントの場合は、ウマ娘への依存が懸念されて大幅に下落したのですが、同じように第一四半期の好決算に依存して、株価が下落してしまった企業もあります。
しかし、今、株価が下落している企業はいいのですが、今回限りの好決算にも関わらず株価が高騰している企業もあります。
こういった企業の株を保有している人は気をつけたほうがいいかもしれませんね。
機関投資家による操作もある
好決算にも関わらず、株価が下がる理由には機関投資家の影響もあります。
好決算にも関わらず、一気に売りにかかると、多くの個人投資家は、焦り売りを始めます。
そして、売り尽くされたところで、機関投資家が買い戻すと、機関投資家にとっては、利益も確定でき、さらに安く仕入れ直すことができます。
どこの株でそれが行われているかはわかりませんが、そういったこともありますので、株取引にはご注意ください。
いずれにしても、投資はご自身の判断で行うことをお勧めします。
コツとしては、将来の稼げるビジョンが見えるかと言うことです。
客観的に見て、今後も稼げるのであれば、少々の下落はノイズでしかありません。
そのノイズを見分けるのは自分自身しかいません。
ちなみに、今回、私の購入したサイバーエージェント株の下落はノイズだと考えています。