リニア中央新幹線は本当に建設できる?総工費が1.5兆円も増えた理由とは?

様々な問題で工事が思うように進んでいないリニア中央新幹線ですが、品川から名古屋間の総工費が1.5兆円も増えたことをご存知ですか?

これまで、JR東海は品川から名古屋までの総工費を5.5兆円としていましたが、2021年に入ってから総工費が7兆円になる見込みだと発表しました。

公共事業の場合、想定していた予算よりも増えることは頻繁にあるので、増えたこと自体は驚きませんが、1.5兆円と言う金額には驚かされました。

現在建設中の北陸新幹線の金沢から敦賀間の総工費が1.6兆円になる見込みですので、今回の追加分だけで北陸新幹線の延伸が出来るぐらいのお金が動きます。

どうして、こんなにも総工費が上がってしまったのでしょうか。

今回は、リニア中央新幹線の総工費が上がった理由について解説していきます。

1.5兆円の内訳とは?

まずは、1.5兆円の内訳をみていきましょう。

難工事の対応・・・5000億円

地震対策・・・6000億円

発生土の活用先確保・・・3000億円

簡単に解説すると、難工事への対応は名古屋駅と品川駅付近の地下工事が想像よりも難しく、安全リスクを考慮して工事を行うために追加で5000億円が必要になったと言うことです。

地震対策については、ガイドウェイなどをもっと頑丈な物に変えて、地震が発生した時も安全に対処できるようにするために6000億円が必要になったと言うことです。

発生土の活用先確保は、トンネル工事によって発生した土を別の場所で活用するための運搬費用に3000億円が必要になったと言うことです。

ちなみに発生土の活用先は神奈川県横浜市の本牧埠頭を埋め立てるために利用されるようです。

JR東海の財務状況は大丈夫なのか?

ただでさえ、巨額の費用が発生するリニア中央新幹線の建設ですが、1.5兆円も増えてJR東海の財務状況は大丈夫なのでしょうか?

これまで、JR東海は東海道新幹線の施設を譲り受けた事により、5兆円を超える負債を追っていました。

これを年間1400億円ずつ返済してきた実績があるため、今回の増額により、単純計算すると10年ほど返済期間が延びる事になります。

さらに、大阪延伸の費用もかかるので、JR東海の財務状況はかなり厳しいでしょう。

ただ、東京から大阪間の高速鉄道輸送需要がコロナ以前に戻るのであれば、無理な数字ではないと考えられます。

JR東海としては戻ると予想していますが、現実は厳しいのかと考えています。

大阪延伸の総工費も上がる

大阪延伸に関しては、まだまだ未知数ですがおそらく、大阪延伸の総工費も上がると思います。

これまで、品川から大阪までの総工費が9兆円といわれておりましたので、単純に今回の1.5兆円が増えるだけでも10.5兆円になります。

さらに、大阪でも難工事や地震対策が発生すると思われるので、こちらも1.5兆円から2兆円ほどは増えるのかと思います。

そうなると、さらにJR東海の財務状況は厳しくなりそうです。

本当に需要はあるのか?

リニア中央新幹線が開業すると、3大都市圏の移動は格段に早くなり、3大都市圏の結びつきが強くなり、日本経済も発展が予想されます。

ただ、リモートワークが当たり前になりつつある、現代では本当に需要が回復するのでしょうか?

私の予想ではかなり難しいと考えています。

ゼロコロナを目指すのは非現実的であり、ワクチン接種が進んだとしても、変異株の脅威は続くと考えています。

と言うことは、必要以上に外出をせず、特に仕事においてはリモートでできる部分はリモートで対応し、リアルに会うとしても近場の人同士が会う事に限定されるのかと予想しています。

よって、長距離のビジネス移動というのは、需要が戻りにくいと考えています。

もちろん、予想なので現実はどうなるのか分かりませんが、リニア中央新幹線は厳しい未来が待っているのかと思います。

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